テレワークをする機会が増えたり、自宅を含めた屋内で過ごす時間が長くなったりしている人も少なくないと思います。
そんな環境の中、パソコン、スマートフォンやタブレットでネットラジオや動画を再生する機会が増えたという人もいるでしょう。「Web会議の相手の声が内蔵スピーカーだとちょっと聞き取りづらいなぁ」「音楽をもっとよい音で楽しみたい」と感じる機会も増えているかもしれません。
そんな時、デスクやテーブルの上に置く「デスクトップスピーカー」があると、パソコン、スマホやタブレットの音環境を改善できます。この記事では、税込み実売価格が7000円以下のデスクトップスピーカーを選ぶ上でチェックしたいポイントと、それを踏まえたおすすめ商品を紹介します。
デスクトップスピーカーに音を伝える方法は、大きく「アナログケーブル接続」「USB接続」「Bluetooth(ブルートゥース)接続」の3種類があります。パソコン、スマホやタブレット(以下まとめて「デバイス」)で使うことを想定して、最近のデスクトップスピーカーは複数の方法で接続できるようになっているものが多くなっています。
それぞれの接続方法にはメリットとデメリットがあるので、簡単に説明します。
デバイスが備えるイヤフォン(ヘッドフォン)出力端子、またはアナログ音声出力端子とスピーカーをケーブルでつないで音声を伝えます。
最大のメリットは、つなげばすぐに音が出せるシンプルさにあります。特に、パッシブタイプ(後述)のスピーカーなら電源も不要です。
デメリットとしては、ノイズ(雑音)が乗りやすいことと、イヤフォン端子のないデバイスでは「オーディオ変換アダプター(ケーブル)」がないとつなげられないことが挙げられます。
デバイスとUSBケーブルでつなげます。USB伝送されたデジタル音声データをスピーカー内の「D/Aコンバーター」でアナログ信号に変換することで、音が出ます。
最大のメリットは、ノイズが乗りづらいことにあります。ノイズの発生源が多いパソコンでは、その恩恵にあずかれる機会も多いはずです。OS標準のデバイスドライバーで動くものがほとんどなので、パソコンならつなげばすぐ音が出ます。
デメリットは、USBオーディオに対応していないデバイスでは使えないこと。手持ちのテレビなどにつなぐといった使い方はできません。
アクティブタイプ(後述)のデスクトップスピーカーには、パソコンと接続することを前提にUSB端子から電源を取るものがあります。USB端子から電源“だけ”を確保する(=USBオーディオに非対応の)スピーカーでは、別途アナログケーブルやBluetoothで音声を伝送しなくてはなりません。
「USB(対応)スピーカー」を買う場合は、音声の伝送もUSBで行うものかどうか必ず確認してください。
デバイスとスピーカーをBluetooth規格の無線通信でつなげます。データは暗号化した上でデジタル伝送されます。スピーカーが受信したデジタルデータは、USB接続のスピーカーと同様にD/Aコンバーターでアナログ信号に変換し、音を出します。
何よりのメリットは、ケーブルでわざわざ接続する必要がないこと。初回接続時に「ペアリング(ひも付け)」の作業が必要ですが、1度済ませてしまえばすぐに(再)接続できます。
デメリットとしてはは、先述した2つの接続方法と比べると音の遅延(伝送遅れ)が発生しやすく、音質も低いことが挙げられます。音のリアルタイム性が求められる音楽ゲームと組み合わせて使うと、うまくプレイできないこともあります。また、無線を用いる特性上、スピーカー側にも電源が必須であることも注意が必要です。
なお、最近ではBluetooth接続時の遅延や音質劣化を抑制する技術もあります。ただし、今回紹介する価格帯でBluetooth接続に対応するデスクトップスピーカーでは、そのような技術に対応する機種がほとんどありません。
デスクトップスピーカーには大きく「セパレート型」と「バー型」があります。
セパレート型は、左右のスピーカーユニットが独立したタイプのスピーカーです。左右の音を“分離”しやすいことが最大の長所です。
アクティブタイプ(後述)のセパレートスピーカーでは、左右どちらかのユニットに電源入力端子、音声入力端子や各種スイッチ類を集中配置しています(右利きの人が多いせいか、右スピーカーに集中させる傾向にあります)。
ただし、ノートパソコンやパソコンのディスプレイの横に置くことになるため、横幅の限られる机には設置しづらいという欠点もあります。
バー型は、その名の通り左右のスピーカーユニットが棒状に連結されているスピーカーで、「サウンドバー」と呼ばれることもあります。
ポンと置いて設置できることが最大のメリットで、特にディスプレイやテレビなどの下に置きやすいことは、スペースが限られている机上ではとても重宝します。
デメリットとしては、セパレート型よりも左右の音の分離を図りづらいことや、音を大きくしづらいことが挙げられます。これらは、形状による制約です。
スピーカーには、外部のアンプ(音声増幅器)とつなぐ「パッシブ型」と、自らがアンプを持つ「アクティブ型」があります。以前は、低価格のアナログケーブル接続のデスクトップスピーカーにはパッシブ型が多かったのですが、最近では低価格帯でもアクティブ型とするものが増加傾向にあります。
アクティブ型のスピーカーは、アンプを駆動するために電源が必要です。電源はUSB端子から取るもの、ACアダプターをつないで取るもの、コンセントから直接取るものなどさまざまです。低価格のアクティブ型デスクトップスピーカーは、USB端子から電源を取るタイプが多いです。
USB接続やBluetooth接続のデスクトップスピーカーは、D/Aコンバーターに付帯する形でアンプも搭載する必要があるため、全てがアクティブ型となります。Bluetooth接続のスピーカーには、持ち歩けるようにバッテリーを内蔵するものもあります。
アナログケーブル接続のデスクトップスピーカーのうち、低価格の製品ではボリュームを備えないものもあります。このようなスピーカーでは、接続元のデバイスを使ってボリュームを調整する必要があります。
しかし、接続元のデバイスが全てボリュームをコントロールできるとは限りません。例えば、macOSで稼働するMacでは、外部ディスプレイを経由して接続されるスピーカーの音量調整ができません。「スピーカーをつないでる外部ディスプレイで音量を調整すればいい」と思うかもしれませんが、その外部ディスプレイにスピーカーの音量調整機能がない場合もあります。
ボリュームコントロールができないデバイスを接続する可能性がある場合は、ボリュームをコントロールできるノブ(つまみ)またはスイッチを備えるスピーカーを購入するようにしましょう。
以上のポイントを踏まえた上で、おすすめのデスクトップスピーカーを3つ紹介します。
オーディオメーカー「ハーマン(Harman)」のJBLブランドから発売されているUSB接続デスクトップスピーカーで、現行のボディーカラーはブラックのみです。税込みの実売価格は7000円弱となります。
パソコンにUSBケーブル1本で直結できる気軽さが魅力のロングセラー商品で、オーディオメーカーならではの高音質を楽しめます。電源スイッチはボリュームコントローラーを兼ねており、パソコンと接続している場合はパソコン側と連動します。
付属のオーディオケーブルを使えば、3.5mmイヤフォンジャックを備えるオーディオ機器とも接続可能です。
ロジクール製のアナログ接続のデスクトップスピーカーで、ボディーカラーはホワイトのみです。税込みの実売価格は2000円弱となります。
自らもアンプを持つアクティブタイプで、電源はUSBケーブルを介して確保します(ACアダプターは付属しません)。手元にボリュームノブが付いているので、音量調整もバッチリです。
米TaoTronics製のアナログ/Bluetooth接続対応の小型サウンドバーで、税込みの実売価格は4000円弱です。
Bluetooth接続に対応するサウンドバーとしては非常に手頃で、メインのフルレンジスピーカー2基とは別に高音域用のツイーターも2基搭載していることが特徴です。電源は、本体に直付けされているUSBケーブルを介して取ります(ACアダプターは別売です)。
Bluetooth接続中はハンズフリーマイクも利用可能で、スマホの通話やWeb会議用のマイクとしても重宝します。付属のケーブルを使えばBluetoothに対応しないデバイスの音声を出力できます。自前のボリュームコントロール(※)も備えているので、音量調整もバッチリです。
(※)Bluetooth接続中は、デバイスのBluetooth音声出力のボリュームと連動します
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