最近、スマートフォンを巡って「eSIM(イーシム)」という言葉をよく聞きます。Fav-Logでも2020年11月にeSIMとはどのようなものかを解説する記事を掲載しています。
日本において、個人向けにeSIMを使った月額契約(ポストペイ)プランをいち早く導入したのが、インターネットイニシアティブ(IIJ)が運営するMVNOサービス「IIJmio(アイアイジェーミオ)」です。この記事では、IIJmioのeSIMサービスの契約方法を、使う際の注意点と合わせて解説します。
難しい説明も少し含まれますが、eSIMに興味を持っている人の参考になれば幸いです。
なお、この記事で出てくる価格は全て税込み表記となっています。
eSIMを使う携帯電話サービスの契約を検討する場合、以下のポイントに気を付けてください。
(※1)店頭申し込みの場合は、QRコードを係員が提示します
なお、eSIMに対応する端末でも、提供するキャリアによってはデータを書き込めない場合があります。IIJmioのeSIMサービスの場合、書き込みと動作を確認できた端末の一覧を公表しています。必ず確認するようにしてください。
IIJmioのeSIMで契約できるのは「ギガプラン」と「データプラン ゼロの大きく2つです。初めて契約する際には、パッケージ価格(契約事務手数料)として3300円、SIMカード発行手数料として220円がかかります。SIMカード発行手数料は、eSIMプロファイルの再発行時にも必要です。通信可能エリアは、NTTドコモのLTE(Xi)と3G(FOMA)に準じます。
光インターネットサービス「IIJmioひかり」を契約している場合、同一のmio ID(ユーザーID)でデータプラン ゼロを契約すると、IIJmioひかりの月額料金が660円引きとなる「mio割」を適用できます。
なお、いずれのプランもeSIMの場合はSMS(ショートメッセージ)の送受信や音声通話には対応しません。また、SMS対応サービスや音声通話対応サービスへの変更、物理的なSIMカードへの変更もできません。記事掲載時点では両プラン相互の変更も行えません(※2)。
(※2)ギガプランにおける月間通信容量は変更できます(手続きの翌月から適用されます)。「eSIMプラン(ベータ版)」(新規受付終了)の契約者は、会員用サイトでeSIM用ギガプランに変更できます
ギガプランは、毎月一定量の通信を行う人で「SMSや音声通話はいらない」という人におすすめです。eSIM用ギガプランの月間容量ラインアップと月額基本料金は以下の通りです。
ギガプランでは、データ通信容量を別の契約と共有/プレゼントできる「データシェア」「データギフト」に対応します(※3)。1人で複数回線を契約する場合、あるいは家族で使う回線をまとめて契約する場合に便利です。
また、ギガプランでは使い切れなかった容量を翌月まで繰り越せます。「今月はあまり通信しなかった……」という場合でも、その分は翌月に使えるので安心です。逆に「容量が足りなくなっちゃった……」という場合は、「バンドルクーポン(追加容量)」を1GB当たり220円で購入できます(※4)。
(※3)6月1日から。ただし、同一のmioIDで契約している回線に限ります。また、旧プランとのデータシェア、ギガプランから他プランへのデータギフトはできません(他プランからギガプランへのデータギフトは可能です)
(※4)6月1日から会員専用ページでの購入に対応します(月間で最大20枚まで購入できます)。コンビニエンスストアなどで販売されている「IIJmioクーポンカード」も利用可能です
eSIM用ギガプランは5Gオプション(6月1日から提供、無料)は利用できません。利用を希望する場合は、通常のSIMカード(タイプDのSMS対応SIMを除く)を用意してください。
データプラン ゼロは、その名の通り標準のデータ通信容量を“ゼロ”としたプランです。既に別の携帯電話回線(SIMカード)を持っている人が、緊急時のデータ通信専用の回線として利用することを想定しています。
このプランでかかる主な料金は以下の通りです。
データプラン ゼロは、ギガプランを含むIIJmioの他プランと異なる点が他にもいくつかあります。
IIJmioのeSIMカードは、Web(インターネット)または店頭で申し込めます。なお、 IIJmioでは月額料金の支払い方法としてデビットカードやプリペイドカードは利用できません。
Webでの申し込みは、IIJmioのWebサイトで受け付けています。初期費用は先述の通り3300円ですが、5月31日まで「ギガプラン登場記念キャンペーン」を適用することで1円となります。キャンペーンの終了後でも、事前に「エントリーパッケージ」を用意しておけば、初期費用を抑えられます(いずれの場合もSIMカード発行手数料はかかります)。
eSIMを申し込む際に必要なものは以下の通りです。
詳しい申し込み手順は、Webサイトを参照してください。なお、先述の通りeSIMを書き込む端末とは別の端末で申し込みをしてください。
申し込みが完了すると、eSIMを書き込むためのプロファイル(QRコード)を確認できます(メールでも通知が届きます)。後述する方法でeSIMを端末に書き込み、接続設定を完了してください。
eSIMの店頭での申し込みは、ビックカメラグループ(ビックカメラ、コジマ、ソフマップ)やヨドバシカメラの一部店舗で受け付けています(※5)。必要なものはWebと同様ですが、エントリーパッケージなどを使った申し込みはできません。
申し込みが完了すると、係員がeSIMを書き込むためのプロファイルを提示してくれます。後述する方法ででeSIMを端末に書き込み、接続設定を完了してください。
(※5)店頭でのギガプランの受け付けは6月1日から始まる予定です
物理的なSIMカードとは異なり、eSIMは契約手続きが完了するとすぐにダウンロードできます。別の端末(あるいは紙)にアクティベーションコードを表示(印字)した上で、以下の手順で書き込んでください。
なお、先述の通り、書き込みには別のインターネット回線が必要です。端末をWi-Fiなどにつないだ状態で実施してください。
iPhone/iPadでは、IIJmioへの接続に必要な「APN設定プロファイル」がeSIMと共にダウンロードされます。そのため、追加の設定をしなくても済みます。
Android端末では、端末にAPN(データ通信の接続先)がプリセットされている場合はダウンロード後の追加設定は不要です。プリセットされていない場合はAPNを手動で設定する必要があります。
なお、項目名はGoogleのeSIM対応スマホ(「Pixel 5」など)を使うことを前提にしています。他のメーカー/端末では異なる表現を用いることがあります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.