昔と比べ手書きのメッセージを書くことが少なくなった今日でも根強い人気を持つ「万年筆」。万年筆を使ううえで欠かせないのが「万年筆インク」です。実はこの万年筆インクはとても奥が深く、「インク沼」という言葉もあるほどなのです。
万年筆インクの種類はとても多く、色が変化するなど、書いているだけで楽しくなるものや、SNS映えするような製品もあります。そんな中から今回は、おすすめの「万年筆インク」を紹介します。この機会に、気軽に「インク沼」をのぞいてみてはいかがでしょうか。
最初に、お持ちの万年筆のタイプをチェックしておきましょう。万年筆は、インクの補充方法別に大きく分けると「カートリッジ式」「吸入式」「両用式」がありますが、このうち自分で選んだインクを使用できるのは吸入式と両用式になります。
カートリッジ式の万年筆はカートリッジを付け替えるだけでインクの補充ができるタイプ。一方、吸入式は万年筆に直接インクを補充します。そして両用式はカートリッジ式と吸入式、どちらの方法でもインクを補充できるハイブリッド型です。
万年筆インクの魅力の1つが、種類の多さです。期間限定のインクなどもあるので、一度集めだすと止まらなくなってしまいそうですね。例えば、アンコーラ銀座本店の「雨の音インク」は、雨の日限定で販売される面白い商品です。
また万年筆インクは、色のネーミングにもこだわっている製品が多いです。季節や花をモチーフにしたものやレトロな雰囲気が漂うもの、ロマンチックな名前のものなど、魅力的な商品がたくさん登場しているので、ぜひチェックしてみてください。
万年筆インクは、1色のインクで美しい濃淡を出すことができます。
またインクによっては、通称「遊色」とも呼ばれる絶妙な色の変化が楽しめるものもあります。使用する紙などの条件によって変化の度合いが異なるので、いろいろ試してみると楽しそうですね。
セーラー万年筆の「万年筆 ボトルインク 四季織(SHIKIORI)十六夜の夢」シリーズは日本の四季を思わせるインクです。
春の「若鶯」「桜森」、夏の「藤姿」「蒼天」、秋の「金木犀」「仲秋」、冬の「囲炉裏」「雪明」など、四季折々の自然をイメージした美しい色彩と、それを表すみやびな名前がついています。全16種類。販売価格は700〜1100円前後です。
セーラー万年筆「ゆらめくインク」は、時間経過や紙によって色彩がゆらめくように変化するシリーズ。濃淡やにじみといった表情の豊かさが魅力的なインクです。
カラーラインアップは「狐日和」「雨催」「白夜」「極夜」「極光」「凍空」「寒暁」「夕」「宵」の、いずれも空をイメージした9種類。販売価格は1650〜2400円前後です。
プラチナ万年筆の「クラシックインク(CLASSIC INK)」シリーズは、時間経過での色の変化が楽しめるインクです。書いた直後は鮮やかな色ですが、時間が経つと徐々に黒っぽく変化していくのが特徴で、より味わい深い文字を書きたい人におすすめです。
カラーラインアップは「カシスブラック」「カーキブラック」「シトラスブラック」「セピアブラック」「フォレストブラック」「ラベンダーブラック」の6色。販売価格は1700〜2500円前後です。
老舗ブランド、エルバン(Herbin)の「アニバーサリーインク 1670」は、金の微粒子が配合された高級感あふれるインクです。
カラーラインアップは「エメラルド チボー」のほか、「オーシャンブルー」「ストームグレー」「キャロブ キプロス」「ヘマタイトレッド」の5種で、それぞれ味わい深い表情の変化が楽しめます。色が変化しやすいインクがほしい方におすすめのシリーズです。販売価格は3000〜3700円前後です。
エルバンの「香り付きインク」シリーズは香り付きのインクです。
「カカオブラウン」は「カカオ」の香り、「レモングリーン」は「シトラス」の香りなど、各色のイメージとぴったりな香りを楽しめます。文字を書く時間をより豊かにしてくれそうですね。10mlで、販売価格は770〜2500円前後です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.