登る山選びに迷ったら、多くの人が集まる人気の山をチェックしてみるのがおすすめです。登山好きがどんな山に注目しているのかによって、その時ならではの魅力や楽しみ方を知ることができ、山選びの参考になることもあります。
そこで今回は、地図アプリ・YAMAPを運営するヤマップが発表した「2022年に『登られた山』ランキング」の中から、活動日記数の前年比(%)が高い西日本の登山スポットをピックアップ。人気の山に持って行きたいおすすめギアも紹介するので、最後までご覧ください!
フリーランスライター兼アウトドアショップスタッフ。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。勤務するアウトドアショップのお客さまから寄せられるお悩みや自身の山体験を生かし、リアルで深い内容を発信! リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
西日本の「人気急上昇した山」ランキング第5位には、中央アルプスの日本百名山「木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)」がランクインしました。
標高2956mと高い木曽駒ヶ岳ですが、標高2612mの千畳敷カールまでは駒ヶ岳ロープウェイを使って一気に登ることができ、そこから山頂までは約2.5時間ほどで登れます。急な上り坂もありますが、登山初心者でも比較的簡単に登れるのが魅力です。
木曽駒ヶ岳の魅力は、なんといっても千畳敷カールの絶景。カールとは、氷河期に氷で削られてできたおわん型の地形で、今にも迫ってくるような岩肌が壮大な雰囲気を醸し出します。また、夏には高山植物のお花畑、秋には紅葉と、季節ごとに表情を変えるのも魅力です。
ロープウェイで簡単に絶景ポイントまで行け、日本アルプスの魅力に触れられるとあって、多くの人でにぎわう木曽駒ヶ岳。2022年は行動制限が落ち着き、久しぶりに登山を再開する人や、初めて登山に挑戦する人が多くなった年であるため、初心者向きの木曽駒ヶ岳の人気が高まったと推測されます。
第4位には、福井県にある「文殊山(もんじゅさん)」がランクイン。文殊山は、標高365mと今回紹介する中では最も低い里山です。福井市と鯖江市の間にあり、市街地からも近く、登山口はなんと10カ所もあります。
登り75分、下り60分ほどで登山を楽しむことができるため、普段山に登らない人や、小さい子供がいる家族連れ、そして旅行や出張ついでにちょっとした山に登りたい人にもおすすめです。
遠足にもよく利用されるスポットということで、2022年から遠足を再開した小学校が増えたり、家族やグループでの登山機会が増えたりしたことから、人気が高まったのではないかと思われます。
文殊山は、標高が低いものの眺めはとても良く、ふもとの田園風景や市街地が一望できるのも魅力。植物も豊富に自生しており、春のツバキや桜、秋の紅葉なども人気です。さらに、ゆるやかでよく整備された道のため、トレイルランニングを楽しむ人が多いスポットでもあります。
第3位は、岐阜県と長野県にまたがる「乗鞍岳(のりくらだけ)」です。一つの山ではなく、北アルプス南部の剣ヶ峰(けんがみね)を中心とした火山の総称を乗鞍岳と呼びます。
剣ヶ峰は標高3026mと、今回紹介する5つの山の中では最も標高が高いのが特徴。とはいえ、中腹2700mの畳平まで車道が通じているため登りやすいスポットであり、登山ウェアや雨具、靴などの装備をきちんと用意していれば、初心者でも挑戦できます。
剣ヶ峰山頂には乗鞍本宮奥宮が建っているほか、御嶽山などの周辺の山々や雲海が見えるのも、多くの登山者をひきつける魅力。また乗鞍岳には、火山活動によってできた7つの池があるのも大きな特徴です。山と山の間にぽつりと青い池がある様子はどこか神秘的で、見応えがあります。
西日本の山ではありますが、関東からのアクセスが比較的良いのもポイント。特急電車とバスを乗り継いで行くこともできるので、車がない人でも訪れやすく、最近登山を始めた若い登山者の間でも人気が高まっていると思われます。
第2位には「剣山(つるぎさん)」がランクインしました。標高1955mで、日本百名山の一つでもある剣山は、北アルプスの剱岳と名前が似ていますが、徳島県に位置する全く異なるスポット。剣山は緑が豊かで、まるで高原のようなのんびりとした風景が広がっているのが特徴です。
徳島県の中では最も高い標高を誇りますが、剣山観光登山リフトを使って中腹まで上がることができ、リフト降り場から山頂まではわずか60分。滑らかな稜線を眺めながらゆったりと歩けるので、登山に慣れていない人も気軽に山の魅力に触れることができます。
美しい景色や豊かな植物以外にも、魅力がたくさんある剣山。リフトから山頂までの道中には大劔(おおつるぎ)神社があり、良縁のご利益があるのだとか。また、高さ50mの大きな岩の下から名水「御神水(おしきみず)」が湧き出ているスポットもあります。
山を登るだけでなく、神社仏閣への参拝や名水探訪など、多角的にアウトドアを楽しみたい人におすすめです。
見事第1位に輝いたのは、北アルプスにある「燕岳(つばくろだけ)」。標高2763mの燕岳は、新日本百名山と日本二百名山に選ばれており、多くの人でにぎわう人気の山です。
危険箇所は少ないもののキツい急な登り坂が経験できたり、その先には北アルプスらしい開放的な眺望や美しい稜線歩きが待っていたりと、高山ならではの魅力が詰まっており、北アルプスデビューにもうってつけの山です。
2022年は行動制限が緩くなり登山スキルを上げたい人が増えたことが、人気が急上昇した一因ではないかと考えられます。
途中の合戦小屋や山頂近くの稜線に建つ燕山荘などの山小屋も、登山者をひきつけるポイント。合戦小屋では夏にはスイカ、秋以降はお汁粉が食べられ、燕山荘では快適な山小屋ステイや豪華な食事が楽しめるなど、高山とは思えないぜいたくが満喫できます。
片道1〜2時間の短時間登山には、20L前後の軽量バックパックが使いやすくて◎。使わない時は小さくまとめられるのも魅力です。
文殊山や乗鞍岳のように気軽に歩ける山から、燕岳のように中難易度の山まで、幅広く使えるサロモンのシューズ。ゴアテックス仕様なので、急な雨でも安心です。
景色がひらけた山では強い太陽光が眩しく感じ、歩きにくいことも。偏光サングラスをかければ眩しさを抑えることができ、快適に山歩きが楽しめます。
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