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「エアコンの暖房」と「サーキュレーター」を併用すると、電気代はどれくらい安くなる? FPが計算してみた【2024年12月版】

» 2024年12月22日 09時00分 公開
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 厳しい寒さが続き、暖房器具が欠かせないシーズンです。電気料金が年々上がっており、特に電気暖房は消費電力が大きい家電であるため、電気代が気になりますよね。

フォト エアコン×サーキュレーターの節約効果とは?(出典:photo-ac.com)

 比較的電気代が安いといわれる「エアコン」を使っている人も多いと思いますが、少しでも節約しながら使いたいですよね。

 この記事では、エアコン×サーキュレーターの節約効果について、FPが解説します。

石倉博子

石倉博子

ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。

“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。


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エアコンとサーキュレーターを併用するメリット

 エアコンは、電気ストーブや電気ヒーターなどと比べて消費電力が少なく、長時間の使用に適した暖房器具です。また、部屋全体を暖められるのも特徴です。他の暖房器具にはない長所を持っているエアコンですが、使い方によっては無駄な電力を使ってしまうことがあります。

フォト アイリスオーヤマ「サーキュレーター AZ-SC15TECーW」(出典:Amazon

 空気の性質として、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行きます。そのため、エアコンの風向きは下にした方が良いのですが、それでも部屋全体に暖気が行き渡らず、温度ムラが発生することがあります。エアコンをつけているのに足元が冷える……というのは、この温度ムラが原因です。足元を暖かくするために、設定温度を上げてしまうと電気代も上がってしまいます。

 そこで、サーキュレーターの出番です。サーキュレーターを使って空気を攪拌(かくはん)させると、温度ムラをなくすことができます

暖房効率が上がる「サーキュレーターの設置場所」とは?

 サーキュレーターを使って暖房効率を上げるためには、設置場所が重要です。次の2つを試してみましょう。

1.エアコンの対角線上に置き、エアコンに向けて風を送る

 エアコンから出てきた温風に、サーキュレーターからの風をあてることで、温かい空気が部屋全体に行き渡ります。

フォト サーキュレーターの置き方が重要(出典:photo-ac.com)

2.部屋の中央に置き、天井に向けて風を送る

 エアコンの対角線上に家具などがあってサーキュレーターを置けない場合は、部屋の中央に置いて、天井に向けて風を送りましょう。天井付近に溜まった暖気が、壁を伝って下に降りてくる流れを作ることができます。

フォト 天井に向けて風を送ることで、暖気を部屋全体に行き渡らせる(出典:photo-ac.com)

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どのくらい節約できる?

 エアコンとサーキュレーターの併用で、どのくらい節約できるのでしょうか。ここで、中部電力ミライズが運営しているサイト「カテエネ」による実験結果を紹介します。

フォト 「エアコンのみ」と「エアコン+サーキュレーター」の比較(出典:中部電力ミライズ「カテエネ」

 エアコンのみで設定温度23度の場合と、設定温度を1度下げて22度でエアコンとサーキュレーターを併用した場合の、足元の暖かさと省エネ性を比べています。結果は、設定温度を下げてもサーキュレーターを使った方が足元は暖かく、またサーキュレーターの消費電力はそれほど大きくないため、エアコンとサーキュレーターの併用の方が10%の省エネとなりました(参照:中部電力ミライズ「カテエネ」)。

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節約できる電気代を計算してみた

 上記の実験結果から、エアコン+サーキュレーターで10%消費電力を削減できることが分かったので、具体的にいくら節約できるのか計算してみましょう。

 1時間あたりの電気代は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」の1kWhあたり31円(税込、以下同)を用いて計算します。

エアコンの電気代

 エアコンはパナソニックの「エオリアJシリーズ 2024年モデル 14畳」を参考にすると、暖房時の消費電力は1400Wとなっており、1時間あたりの電気代は43.4円となります(出典:パナソニック)。1日10時間使用した場合の1カ月の電気代は、1万3020円となります。

フォト パナソニック「エオリア クリスタルホワイト 主に14畳 CS-404DJ2-W」(出典:Amazon

 サーキュレーターの使用で10%削減できると考えると、

  • 1万3020円−1302円=1万1718円

 エアコンとサーキュレーターを併用した場合の1カ月の電気代は、1万1718円となります。

サーキュレーターの電気代

 一般的なサーキュレーターの消費電力は25W程度です。1時間あたり約0.78円です。1日10時間使用した場合の1カ月の電気代は、234円となります。

節約できた電気代

 サーキュレーターを使用したことでエアコンの電気代が1302円減ったのに対し、サーキュレーターの電気代は234円なので、1カ月で1068円の電気代が節約できたことになります。年間にすると1万2816円の節約となるので、決して小さくはない金額です。

エアコンとサーキュレーターの併用効果は冬の方が高い

 サーキュレーターは夏場に使うイメージがありますが、電気代は暖房の方がかかるので、サーキュレーターを使ってエアコンの設定温度を下げる(上げる)ことによる節約効果は、冬場の方が高くなります。夏にサーキュレーターを使っていたけれど、片づけてしまったという人は、ぜひこの冬も使ってみてください。暖房効率を上げて電気代を節約しましょう。

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