ルームエアコンが取り付けられない部屋でも、工事不要で設置して使用でき、すぐに涼しい風を出してくれる家電が「スポットクーラー」(スポットエアコン)です。比較的コンパクトなモデルが多く、家の中のさまざまな場所を冷風で快適にしてくれます。
ここでは、設置の自由度が高いコンパクトなスポットクーラーの選び方とおすすめモデルを紹介します。暑い季節を乗り切る参考にしてください。
Fav-Log編集部
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スポットクーラーは、扇風機やサーキュレーターなどと異なり、一般のエアコンと同じ「熱交換」方式によって冷風を送り出す装置です。ルームエアコンは室内機と室外機に分かれていますが、スポットクーラーはこれが一体化したものというイメージ。工事不要でさまざまな場所に置けるのが特徴です。
構造はコンプレッサー方式の除湿機と同じ。このため、ほとんどのスポットクーラーは除湿機能も備えており、じめじめした季節や、洗濯物の室内干しにも活躍してくれます。
どこにでも置いて使えるのがスポットクーラーのメリットですが、注意しておきたいのは「冷風と同時に熱も排出する(普通は背面から)」ということ。閉め切った室内で、排熱を室外に逃がさずに冷風運転を続けると、むしろ室温が上昇することになってしまうので注意が必要です。たいていの商品には、背面に取り付けるエアダクト(ホース)が付属しています。ダクトを室外に通しておくことで熱を逃がせる仕組みです。
また、スポットクーラーでは内部で水(ドレン水)が発生します。水を内部で蒸発させ、排水処理を不要にしている「ノンドレン」タイプの機種もありますが、コンパクトモデルでは内蔵タンクにドレン水をためておき、満水になったら捨てる必要があるものがほとんどです。
ちなみに、冷風を出す家電として「冷風扇」(れいふうせん)がありますが、これは水の気化熱を利用して冷たい風を送り出す機器。ここで紹介するコンプレッサー式スポットクーラーとは全く原理が異なる別の家電ですが、ショッピングサイトでは安価な冷風扇を「スポットクーラー」とうたって販売しているケースがあるので、購入検討時にはよくチェックしてください。
冷暖房機器メーカー、ナカトミのコンプレッサー式スポットクーラーです。サイズが29.5(幅)×29.5(奥行き)×44(高さ)cm、重さ約13kgとコンパクトサイズで、卓上での利用もできるとうたっています。
付属の伸縮式ダクト(50cmまで)を冷風口に取り付けることで、送風の向きを自由に変えられる仕組みです。冷房能力は0.41kw〜0.43kw。0.7Lのドレン水タンクを搭載しています。冷風・送風運転の切り替えが可能です。
実売価格(税込)は約3万円から。
生活になじむ親しみやすいデザインの家電製品を展開するシロカ(siroca)の製品です。コンプレッサーを搭載しつつ、本体サイズは22(幅)×22(奥行き)×41.4(高さ)cm、重さは6.5kgとかなりコンパクトに抑えられています。持ち運びに便利なハンドル付きです。
冷風運転(0.35kw)は室内温度17度〜38度に対応し、室温より7度低い冷風を出す能力があるとしています。送風・除湿機能(室内温度5度〜38度に対応)も備え、除湿機能は1日4.4Lの除湿能力があります。水をためる容量1Lの貯水タンクも搭載しており、持ち運びやすさを生かして洗濯物干しや冬の結露対策など通年で使えます。
DCコンプレッサーの採用で、消費電力は約160Wと省エネなのもポイント。室外に排熱する排気用ダクトも付属しています。
シロカ公式オンラインストア価格は4万4880円(税込)です。
山善が展開するバッテリー搭載家電シリーズ「ELEIN」から登場したスポットクーラーです。ACコンセントとバッテリーの両方で使用でき、コンパクトなポータブルタイプなので、自宅に加えキャンプでのテント泊や車中泊でも活躍します。
本体サイズは203(幅)×474(奥行き)×322(高さ)mm、重さは約8.5kg。周辺温度からマイナス10度の冷房能力があり、ダクトも付属しているので、熱を室外に逃しながらしっかりと冷やせます。
別売りのバッテリーパックは最大4個まで装着可能。4個使用時では、最大出力で2時間の連続使用が可能だとしています。
実売価格(税込)は約6万8000円から。
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