在宅ワークが続く中で、気づけば慢性的な肩凝りや首凝りに悩まされていた筆者。これまで安価なチェアを使っていましたが、限界を感じ、イトーキの「サリダ YL9」を導入しました。数カ月使ってみて作業環境が大きく変わったので、魅力と気になる点をレビューします。
立山 亜樹
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員の経験を活かし、登山やキャンプをはじめとしたアウトドアアイテムから、日常を便利にする生活グッズ、仕事の効率を高めるビジネスツールや最新ガジェットまで、幅広いアイテムのレビューを執筆。自身の体験をベースに、実際に使って感じたリアルな視点で、読者が「これ欲しい!」と思えるような情報をお届けします。
「サリダ YL9」を選んだ一番の理由は、見た目のスッキリ感です。ゲーミングチェアのようなごつさは避け、他のインテリアになじむシンプルなフォルムを求めていた筆者にとって、背もたれや座面に余計なパーツが見えない同商品は理想的でした。価格は4万6900円(税込)です。
筆者が選んだブラックは、部屋のインテリアを邪魔せず落ち着いた印象を与えてくれます。特に特徴的なのが、独創的かつ高級感のあるエラストマー素材の背もたれです。一般的なメッシュより弾力があり、蒸れにくさとしなやかさを両立しています。
網目の密度が腰部分に向かって高くなっており、自然と腰を支える構造になっています。デザイン性と機能性が同価格帯のチェアの中でも抜きんでており、「見た目と座り心地の両方を大切にしたい人」にぴったりだと感じました。
導入してから一番実感しているのは、肩凝り・首凝りの軽減です。高さ7段階・首振り5段階で調整できるヘッドレストが自然と頭を支えてくれるため、パソコン作業中も前傾姿勢になりにくくなりました。
背もたれは体重を感知してロッキング強度を自動調整。作業の合間に少し体を預けると、自分の体格に合った角度でふんわり倒れてくれるのが快適です。好きな位置で固定できるのも安心感があります。
アームレストは9段階で高さを変えられ、横幅も長めに作られているため、肘をしっかり支えてくれます。結果的に肩への負担が減り、長時間のライティング作業でも集中力を維持できるようになりました。安価なチェアとは明らかに違う、体に寄り添う設計を実感しています。
一方で、気になる点もあります。まず本体サイズがしっかりしているため、部屋の中での存在感は大きめ。ワークスペースがコンパクトな人には圧迫感が出るかもしれません。
また、アームレストは上下調整こそ細かくできるものの、方向や角度を変えることはできません。文章を書いたりマウス操作をしたりと姿勢を変えたいときに「もう少し内側に寄せられたら」と感じる場面もありました。このあたりは同価格帯の他メーカーのチェアに比べると惜しいポイントです。
それでも、全体的な座り心地やサポート力を考えると大きな不満にはならず、むしろ「この価格でここまで機能的なら十分」と納得できています。
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