日本でも最近よく見かけるようになった「折りたたみスマートフォン」ですが、グローバルではさらに大画面を小さく折りたたんで持ち歩ける、3つ折りのスマホが複数のメーカーから発売されています。
2025年末に韓国と米国で発売されたサムスンの「Galaxy Z TriFold」もそのひとつ。日本では未発売ですが、現在、Galaxy Harajuku、Galaxy Studio Osakaの2カ所で特別展示が行われています。
米国での販売価格は2899ドル(約44万円)。スマホとしてはかなり高価ですが、実際に触ってみるとディスプレイやヒンジなど、最先端の技術が詰め込まれていることが分かります。
インターネット黎明期よりWebディレクションやインターネット関連のフリーペーパー、情報誌の立ち上げに携わる。以降パソコン、携帯電話、スマートフォンからウェアラブルデバイス、IoT機器まで、身近なデジタルガジェットと、それらを通じて利用できるさまざまなサービス、アプリケーション、および関連ビジネスを中心に取材・執筆活動を続けている。
折りたたみスマホの最大のメリットは、大画面をコンパクトに持ち歩けることです。TriFoldは、開くと約10インチのQXGA+(2160×1584ピクセル)のDynamic AMOLED 2X(有期EL)ディスプレイが利用できます。
さらに外側にも約6.5インチFHD+(2520×1080ピクセル)のDynamic AMOLED 2Xディスプレイを搭載。閉じた状態でもスマホとして十分なディスプレイサイズを備えつつ、開くとタブレット並みの大画面が使える、そんなデバイスになっています。
日本で発売中の「Galaxy Z Fold7」も閉じたときの外画面は同じ約6.5インチですが、こちらは開いたときのディスプレイサイズが約8インチ。見比べれば一目瞭然ですが、この違いはかなり大きいです。
筆者はこれまで、 Fold7についても「開けばタブレットサイズ」だと思っていましたが、アスペクト比も含めて「真のタブレットサイズ」と呼べるのはTriFoldです。
また、Fold7は開いたときのサイズが、約158(高さ)×143 (幅)×4.2(厚さ)mmとやや縦長なのに対し、TriFoldは約159.2(高さ)×214.1 (幅)×3.9〜4.2(厚さ)mmと横長です。
例えば映像を再生した場合、Fold7のディスプレイには上下に大きくスペースが空いてしまいますが、TriFoldでは大画面を無駄なく活用でき、より迫力のある映像が楽しめます。
横長の画面はマルチタスク操作にも向いています。一部機種を除くGalaxyスマホでは、外部ディスプレイに接続するとパソコンライクな操作ができる「Samsung DeX」という機能が利用できます。
外部ディスプレイにつないで、Bluetoothキーボードやマウスを使えば、パソコンのようなデスクトップ環境でマルチウインドウやコピー&ペーストといった操作ができるもの。タブレットの「Galaxy Tab S」シリーズなどでは、この機能をモニター出力しなくても単体で利用できるのですが、TriFoldでも同様に単体で利用できます。
単に大画面をコンパクトに持ち歩けるだけでなく、これ一台でスマホ兼タブレット兼ノートパソコンのような使い方もできるということです。
大画面の一方で、折りたたむ際には当然ながら、2つ折りのFold7よりも分厚くなります。3つのパーツはそれぞれ厚さが異なり、内側になる画面左側が厚さ約3.9mm、背面にもディスプレイのあるセンターが約4.2mm、背面にカメラがある画面右側が約4mm。閉じたときの厚さは約12.9mmです。
筆者は手が小さい方ではありませんが、それでもこの厚さだと片手操作はちょっと厳しいかなという印象。重さも約309gと、タブレットに比べると軽いものの、スマホとしてはかなりのヘビー級です。
折りたたみスマホでは耐久性も気になるところですが、最近はヒンジの技術が向上して、ディスプレイに強い折り目がつきづらくなっています。
TriFoldもFold7と同様に、ピタッと閉じる一方で、折れ目がつかないヒンジ構造を採用。また折る順番を間違えたら、バイブレーションや警告画面で知らせてくれるなど、誤操作でヒンジに負担をかけない工夫もされています。Fold7同様、折りたたみなのにIP48等級の防水性能を備えている点も心強いです。
チップセットやカメラなどの仕様はFold7と同等。サイズとのトレードオフでバッテリーは5600mAhと、ディスプレイサイズに対してやや控えめではありますが、約10インチのタブレットをこのサイズ感で持ち歩けるのは、やはり大きな魅力です。高価格にもかかわらず、売り切れとなる人気ぶりにも納得です。
Fold7も前モデルから一気にスリムになって大きな注目を集めましたが、TriFoldはさらにその先の可能性を感じさせてくれる一台。円安などもあり、3つ折りスマホの日本での発売はすぐには難しいかもしれませんが、縦折り、横折り、そして3つ折りと、折りたたみの選択肢の広がりにワクワクしてしまいます。
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