「防湿庫」おすすめ5選 「大切なカメラとレンズにカビが……!」と泣く前に【2020年最新版】
高温多湿な環境に置かれたレンズにはカビが生えやすいもの。大切な機材を湿気から守るのが「防湿庫」です。防湿庫には、自動的に湿度を保つ電気式と、乾燥剤などを併用する気密ケース式の2つがあります。防湿庫の選び方と、おすすめモデルを紹介します。
湿気からカメラやレンズを守ってくれる「防湿庫」。高温多湿から逃げられない季節は特に、大切な撮影機材をしっかりと保管してくれる頼もしい存在です。
カメラやレンズにこだわるなら、その性能を存分に発揮するために、保管方法にも気をつけたいもの。ここでは、「防湿庫」の選び方とおすすめモデルを紹介します。
カメラとレンズをカビが狙っている!
カメラとレンズ、特にレンズにはカビが生えます。レンズの外側だけではなく、内側に生えることも多いもの。カメラ初心者はご存じない方が多いのですが、「レンズをよく見てみるとクモの巣のようなものが……」と気付いて驚くというパターンです。
カビは20〜30度の温度、60%以上の湿度を好み、ほこりなどの汚れを養分として育ちます。特に梅雨時から夏はカビにとっては最適な環境。撮影後のカメラとレンズを清掃せず、カメラバッグごと押し入れに長い間しまったまま……といった状況は、カメラとレンズを“カビリスク”にさらしてしまいます。
レンズの外の面に生えたカビは拭けばよいのですが、内側の面に生えてしまったら、サービスセンターなどに持ち込んで分解清掃してもらうしかありません。多少のカビはただちに撮影結果に影響を及ぼすとは言えませんが、買い取り価格が下がってしまいますし、経験者の方は分かると思いますが、何より気分がよくありません。
悪化するとレンズのコーティングに食い込んでしまったり、全面に広がって像がぼやけてしまったりすることも。こうなると清掃してもらっても元通りになるとは限りません。
防湿庫を選ぶポイント:本格的な電気式と簡易タイプがある
カビを防ぐため、乾燥しすぎない適度な湿度に保った庫内に機材を保管できるのが「防湿庫」です。防湿庫には、電気を使う本格的なタイプと、電気を使わない簡易的なタイプがあります。
電気を使うタイプは、ユーザーが設定した湿度を自動的に保ってくれるもので、付属する湿度計(デジタル式かアナログ式)で庫内の湿度をチェックできます。半永久的に使えるという乾燥剤を組み合わせた電子ユニット方式と、「ペルチェ素子」による冷却機構で結露させ、水分を除去するものの主に2つがあります。
乾燥剤&電子ユニット方式は防湿庫専門メーカーが採用しており、定評がありますが、比較的高価になります。ペルチェ素子による方式は割安なモデルが採用しており、動作が静かといったメリットがある一方、乾燥剤&電子ユニット方式に比べ電気代がやや高く、ペルチェ素子の寿命が乾燥剤&電子ユニット方式に比べ短いという指摘があります(参考:東洋リビングの資料)。
電気式の多くのモデルはガラス扉で庫内が見えるようになっているため、自慢の機材をインテリアとして楽しめるのもポイント。庫内にAC電源用コンセントを装備しているモデルなら、保管しながら充電できるので便利です。光触媒でクリーンに保つ付加機能を備えたモデルもあります。
ただ、大きさや重さ、電源が必要な点などから設置場所が限られるので、そもそも自宅に置く場所があるのかどうか考えておく必要があります。
電気を使わない簡易タイプは、プラスチックなどの密閉ケースと乾燥剤と併用する仕組みです。アナログ湿度計が付属しているものなら、内部の湿度も確認できます。
電気式と比べ安価で気軽、置き場所も柔軟に選べる点がメリットですが、湿度や乾燥剤の管理は自分でする必要があります。
防湿庫を選ぶポイント:機材はちゃんと入る?
防湿庫の容量や設置サイズも要チェック。「サンニッパ」(300mm F2.8)などの大型レンズを保管するのであれば、問題なく収納できるのかどうか、庫内のサイズや耐荷重も確認しておきましょう。
一般的には必要量から少し大きめのサイズを購入したほうがスペースにも余裕ができますし、機材の買い増しにも対応できます。ただ、大容量になるほど価格も高くなり、場所もとることになるので、予算や設置予定のスペースなどをよく考えて決めましょう。
防湿庫:おすすめモデルはコレ!
東洋リビング「オートクリーンドライ 防湿庫 39L」
「オートクリーンドライ」は、防湿庫専門メーカーとして実績のある東洋リビングのスタンダードなモデルです。
湿度を30〜50度で任意に設定でき、アナログ湿度計でチェックできます。光触媒テクノロジーも搭載し、空気をクリーンに保つとしています。39リットルモデルは、カメラ2台と一般的なレンズ数本程度の機材なら十分に対応可能。大容量なモデルもそろっています。
トーリ・ハン「ドライ・キャビ プレミアムシリーズ 76リットル」
トーリ・ハンは防湿庫専門の日本メーカー。「ドライ・キャビ プレミアムシリーズ」は、庫内のLED照明、庫内コンセント、庫内と庫外の両方の湿度が分かるアナログ式デュアル湿度計を備えたモデルです。
ここで紹介する76リットルモデルの収納目安は18〜21台。余裕のある容量ながら、比較的リーズナブルな価格になっています。
HAKUBA「E-ドライボックス 20L」
写真用品で知られる「HAKUBA」の防湿庫「E-ドライボックス」。ペルチェ素子方式を採用し、20リットルモデルなら約1万円と、割安なのが特徴です。
スチール製のキャビネットや強化ガラス扉、デジタル温湿度計など、安価ながら十分な機能を備えています。20リットルモデルはミラーレスカメラとレンズ数本のシステムなら対応できる容量。ラインアップは128リットルまでそろっています。
ナカバヤシ「キャパティ ドライボックス」
ナカバヤシ「キャパティ ドライボックス」は、乾燥剤と併用する、プラスチック製の密封ケース。湿度計が付属しており、食料品などを保管できる汎用のケースとして販売されていましたが、カメラ・レンズの手軽な防湿庫としてAmazonで人気になったという経緯があります。
8リットルモデルは、コンデジやミラーレス一眼+数本のレンズ程度なら十分収納できる大きさ。価格が安く、スタッキングもしやすいので、気軽に増やせます。ラインアップは8リットルのほか、11リットル、20リットル、27リットル。
簡単かつ安価に機材を湿気から守れるのがポイントですが、その分、定期的に湿度と乾燥剤はチェックしていく必要があります。
HAKUBA「防湿カメラケース ドライソフトボックス」
写真用品のHAKUBAが販売する「ドライソフトボックス」は、機材を中に入れてそのまま持ち出せるソフトタイプの気密ケース。「使うたびに機材を防湿庫にしまうのが面倒」という人にはぴったりかもしれません。
MとLの2サイズがあり、Mはミラーレス〜エントリークラス一眼とダブルズームキットを保管できる容量、Lサイズはミドルクラス〜プロ用一眼と大口径レンズ2本を収容できるとしています。よく使う機材はここにしまっておき、使用頻度が低い機材は防湿庫へ、といった使い方もできそうです。
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