短時間の日帰り登山なら遭難対策は不要? 安全のために用意すべきものとは
山での遭難のニュースが多かった2023年。警察庁が発表したデータによると、2023年夏期(7〜8月)の遭難発生件数は738件、遭難者数は809人と、2022年よりも70件、23人多い結果となりました。
山での遭難のニュースが多かった2023年。警察庁が発表したデータによると、2023年夏期(7〜8月)の遭難発生件数は738件、遭難者数は809人と、2022年よりも70件、23人多い結果となりました(出典:警察庁)。
大自然の中に身を置く登山では、遭難は人ごとではなく、標高やコースタイムに関わらず起こり得ます。そのため、短時間の日帰り登山であっても遭難対策はしっかりしておきたいです。
今回は、万が一の遭難時に備えて用意しておきたいアイテムを紹介します。
おかだあきほ
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
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山での遭難対策アイテム:ヘッドライト
山のレベルや登山スタイルに関わらず、ヘッドライトは必ず持っていきましょう。暗い中での歩行を想定していなくても、道に迷ったり怪我をしたりして予定よりも下山に時間がかかってしまうことがあります。
山は暗くなるのが早く、高い木が生い茂るような山の中では特に、15時ごろから薄暗くなることも。暗い道を歩く際にヘッドライトで足元を照らすことで、安全に通行できます。
スマートフォンの懐中電灯モードでも良いのでは? と思われるかもしれませんが、スマホのバッテリーが切れてしまえば使えなくなってしまいます。また万が一の転倒に備えて、頭にヘッドライトを装着して両手をあけておくことも重要です。
なお、登山前にはヘッドライトがきちんと点灯するか確認することを忘れずに。交換用に新品の電池も持っていくのがおすすめです。
山での遭難対策アイテム:ファーストエイドキット
ファーストエイドキットとは、登山中にケガをしたり、体調が悪くなってしまったりした場合に備えた応急処置セットのこと。山の中では何らかのトラブルが起きてもすぐにプロに処置をしてもらうことはできず、できる限りの応急処置を自分自身でする必要があります。そのため、ファーストエイドキットも山に行くなら必ずザックに入れておきましょう。
一つのポーチや巾着にまとめ、ザックのポケットなど、必要な時にさっと取り出しやすいところに入れておくのがおすすめです。
ファーストエイドキットに入れておくべきアイテムは、ばんそうこうやケガ・虫刺され用の軟こう、痛み止めなどの常備薬、テーピングなど。さらに、テーピングや包帯をカットするための小型はさみやポイズンリムーバー、ウェットティッシュなども入れておくとよいでしょう。
必要なものがセットになった商品も販売されているため、自分で全てそろえるのがおっくうであれば、それを利用するのもおすすめです。
山での遭難対策アイテム:エマージェンシーシート
エマージェンシーシートとは、遭難時に寒さや雨風から身を守るアイテム。サバイバルシートと呼ばれたり、寝袋状のものをエスケープヴィヴィと呼ぶこともあります。ポリエステルやアルミでできた断熱性の高いものが多く、体全体を覆うことで体温低下を防ぐことができます。
万が一遭難した場合、滑落した場所や天候によっては救助までに数時間〜数日かかることがあります。低体温症を防ぎ、命を守るためにもエマージェンシーシートは必須。薄手で小さく折りたためるため、ファーストエイドキットの中に入れておくのがおすすめです。
山での遭難対策アイテム:ツェルト
ツェルトとは、小型の簡易テントのこと。遭難したり、天候が悪化して身動きがとれなくなったりしてビバーク(山の中で緊急に一夜を過ごすこと)を強いられた場合に使用します。一般的な山岳テントよりもシンプルな構造で軽量かつ小さく、持ち運びしやすいのが特徴です。
山岳テントほどの快適性はありませんが、雨風や寒さから身を守ることができます。日帰り登山を想定している時にこそ、備えておきたいアイテムです。
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