「なぜ登山に綿のTシャツはNGなの?」元アウトドア店員が解説
登山に出かけるとき、ウェア選びに悩む方も多いのではないでしょうか。特に初めて登山をする方は、普段着慣れている綿素材のTシャツを選ぶことがよくあります。しかし、実は登山に綿のTシャツは不向きなのです。
登山に出かけるとき、ウェア選びに悩む方も多いのではないでしょうか。特に初めて登山をする方は、普段着慣れている綿素材のTシャツを選ぶことがよくあります。しかし、実は登山に綿のTシャツは不向きなのです!
今回は元アウトドア店員の筆者が、なぜ綿素材がNGなのか、そして代わりにどのような素材が良いのかを解説します。
おかだあきほ
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
登山で綿素材のTシャツはNG! その理由は?
登山では、綿素材のTシャツは避けるのが基本といわれています。その理由は、綿が持つ特性にあります。綿は吸水性が高く、一度汗を吸うとその水分を保持する性質があります。
これが登山中にどのような影響を及ぼすのかを考えてみましょう。山の天候は変わりやすく運動量も多いため、雨でぬれたり、汗をかいたりする機会が多くなります。そんなとき、綿のTシャツは水分をすぐに吸収しますが、乾くのには時間がかかります。
ぬれた状態が続くと、不快感を覚えるだけでなく、体が冷えやすくなります。特に標高が高い山では気温が低くなるため、汗でぬれたTシャツは体温を急激に奪う原因となります。これが低体温症などのリスクを高める要因となり、安全な登山を妨げるのです。
人気のトレッキング・ハイキングシューズをチェック!
登山に綿のTシャツを着ていくとどうなる?
登山中に綿のTシャツを着ていると、どのような事態が起こるのでしょうか。綿は肌触りがよく、ほどよく風も通すため、歩き始めは特に問題を感じないでしょう。
しかし、体がほてって汗をかくようになると、Tシャツが水分を吸い込み、しっとりと重くなります。ぬれたTシャツが肌に張り付くと、不快感を覚えるはず。この不快感が集中力を削ぎ、精神的な疲労や注意力の低下を招く恐れもあります。
さらに、汗でぬれたTシャツが乾かないまま行動を続けると、体が冷えてしまいます。登山中の休憩時には特に寒さを感じるでしょう。これが体力の消耗をさらに加速させ、疲労感を増す結果となります。最悪の場合、低体温症や風邪を引くリスクも考えられます。
以上から、綿のTシャツは登山には不向き。山歩きを集中して楽しむためにも、速乾性の高い素材のTシャツを選ぶことが大切なのです。
人気のトレッキング・ハイキングシューズをチェック!
登山で着るのにおすすめの素材は?
では、登山にはどのような素材のTシャツが適しているのでしょうか。おすすめは、ポリエステルやメリノウールをはじめとした、速乾性が高く通気性に優れた素材です。これらの素材は湿気や汗を素早く吸って蒸発させ、体をドライに保つ効果があります。
ポリエステルは軽量でありながら丈夫で、汗をかいてもすぐに乾くのが特徴。メリノウールは天然素材ながら高い吸湿速乾性を持ち、服の中の湿度を調整し快適に保ってくれます。
たかがTシャツ、されどTシャツ。せっかくの山歩きを辛い思い出にしないためにも、適切なウェアを選んで臨みましょう。
人気のトレッキング・ハイキングシューズをチェック!
無料でお試し 音楽聴き放題!
Apple Gift Cardで、楽天ポイントがたまる・使える!
Google Play ギフトコードで、楽天ポイントがたまる・使える!
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ワークマン破格の「3900円トレッキングシューズ」で低山ハイクしてみた 透湿防水素材採用ミドルカット登山靴の実力は?
ワークマンから「ミドルカットのトレッキングシューズ」が発売されました。独自素材による透湿防水仕様のほか、セルフクリーニング機能を持つソールデザイン、抗菌防臭インソールなどが採用されています。さっそく東京都八王子市にある高尾山でテストしてきましたので、その感想をお伝えしましょう。
別名“魔の山” なぜ「谷川岳」で遭難する人が多いのか それでも人気がある理由とは?
「世界一遭難者を多く出した山」としてギネス世界記録に認定されている山が、日本にあるのをご存知ですか? その場所は、群馬県と新潟県の間にそびえる「谷川岳」。
なぜ山ですれ違う時に「こんにちは」と言うの? 登山中に“あいさつをするマナー”の重要な意味
登山やハイキングをしていると、すれ違う人と「こんにちは」とあいさつを交わす場面がたくさんあります。山登りを始めたばかりの人は「街では知らない人にあいさつをすることはほとんどないのになぜ?」と思うのではないでしょうか?
登る人と下る人はどちらが優先? 登山で押さえておくべき「暗黙のルール」3選【2024年4月】
登山では、自然との共生や他の登山者に迷惑をかけないために、いくつかの「暗黙のルール」が存在します。きちんと教わる機会はほとんどないですが、しっかりと理解して守ることで、快適に登山を楽しむことができ、大切な自然を守ることにもつながります。
もう“歩き疲れ”とはさよなら! 「登山で疲れにくい歩き方のコツ」を登山ライターが解説
大自然と触れ合いリフレッシュできる登山。しかし、不安定な道を長時間歩き続けることで疲れがたまり、楽しさが半減してしまうことも少なくありません。そこで今回は、「登山で疲れにくい歩き方のコツ」を紹介します。快適かつ安全に登山を楽しむための歩き方をマスターして、美しい自然を満喫しましょう。




