RedHat Linuxに含まれている標準ドライバは,現在では少々古く,最新機種には対応されていない。しかし,PIPSを使えば比較的新しい機種にも対応することができて,現在主流の写真画質の印刷も可能だ。
PIPSのインストール
PIPSのインストールは簡単である。まずはエプソンコーワのPIPSのダウンロードページで使用許諾に目を通し,利用するプリンタ名とメールアドレスを入力する。PIPSはプリンタの機種ごとに異なるものが用意されているため,プリンタ機種の選択は間違えないようにしよう。
ダウンロードページに移ると,RPMパッケージが用意されている。RPMパッケージのファイル名はプリンタの機種ごとに異なっており,PM-790PT用のものであれば「pips790-2.0-1.i386.rpm」となっている。以下,このパッケージファイルを利用して解説を続けるが,別の機種を使っている場合にはファイル名を適時読み換えてほしい。また,ファイル名以外にも幾つかの設定名は機種によって異なる点に注意が必要だ。
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PIPSのRPMパッケージをダウンロードしたら,rootで次のように指定してインストールしよう。
| # rpm -ivh pips790-2.0-1.i386.rpm |
RPMパッケージをインストールすると,次の2つの設定ファイルが自動的に書き変わる。
1. /etc/printcap
次のエントリが加えられる。古い/etc/printcapファイルは、/etc/printcap.bakファイルとして保存される。
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# written for pips790 pm790pt:\ :sd=/var/spool/lpd/pm790pt:\ :mx#0:\ :sh:\ :lp=/var/ekpd/ekplp0:\ :if=/usr/local/EPKowa/PM790PT/filter790: # pips790end |
このエントリは,プリンタ名として「pm790pt」を加えプリンタポートを/var/ekpd/ekplp0に,入力フィルタを/usr/local/EPKowa/PM790PT/filter790,スプールを/var/spool/lpd/pm790ptに置き換えるという設定だ。
プリンタポートが/var/ekpd/ekplp0となっているが,これは後述するデーモンが読み取って印刷するためだ。一般的にGhostScriptの設定では,ここではプリンタポート名となるため,USBプリンタの出力先である/dev/usb/lp0が適当かと思われるかもしれない。しかし,PIPSを利用する場合には該当しないので注意してほしい。
ここで書き換えられた設定は,特に変更する必要がないだろう。
2. /etc/services
次のエントリが加えられる。古い/etc/servicesファイルは,/etc/services.bakファイルとして保存される。
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# written for pips790 cbtd 35586/tcp # pips790end |
このエントリは,後述するデーモンが利用するものだ。ここで書き換えられた設定内容についても,特に変更する必要はないだろう。
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