■いちばん近道なLinuxマスター術
第15回:GUIによる環境設定(後編)
 Red Hat Linuxを始めとした近年のLinuxディストリビューションでは,X Window上利用できるGUIツールが充実している。従来からのエディタを使ったテキストファイル編集による設定はあるものの,現在はGUIで行えるという選択肢が1つの方法として認知されつつある。
 しかし,従来からの設定方法とGUI設定ツールによる方法を混在し始めると,GUIツールの場合見えない裏側で書き換えられる可能性が高い。このため,例えば手作業で書き換えた内容を思いもかけずGUIツールが上書きしてしまうなどの弊害が生じてしまう。
 いくら手間軽減のためにGUIツールを使い始めても,このような状況を理解していなければ問題を回避できなくなってしまう。
 後編では,ネットワークに関する設定についてGUIツールの設定とテキストによる編集を対比させていくことにしよう

GUIで行うネットワーク設定

 第13回「GUIによる環境設定(前編)」では,主にシステム設定についてconfファイルとGUIツールでの設定内容を比較してみた。後半の今回は,ネットワークを設定する際のテキストでの編集とGUIの編集,それぞれの変更内容を対比させていこう。

 実は,ネットワークを設定するツールはシステムツールよりもやや複雑だ。Red Hat Linux 7.2では,「インターネット接続ウィザード」「ネットワーク設定」「ファイアウォール設定」「lokkitファイアウォール」の4つの設定ツールが用意されているが,それぞれの設定ツールで変更される内容が設定ファイルに重複するからだ。

 上記4つのツールのうち,「インターネット接続ウィザード」はインターネットに接続させるための設定を行うツールであり,つながった後に改めてこのツールを使うことはないだろう。このため,ここの説明を割愛する。それでは残る「ネットワーク設定」「ファイアウォール設定」「lokkitファイアウォール」,3つのツールを順番に見ていくことにしよう。

ネットワーク設定(neat

 GUIの「ネットワーク設定」ツールには,「ハードウェア」「デバイス」「ホスト」「DNS」の4つのページがある。まず「ハードウェア」タブでは,イーサネットカードのハードウェア情報,IRQなどが設定されている(Fig.16)。

Fig.16■ネットワーク設定―[ハードウェア]
Fig.16

 「デバイス」タブでは,各ネットワークデバイス「eth0」「eth1」などの物理的なデバイスとLinux上で設定されるデバイスが関連づけられている(Fig.17)。

Fig.17■ネットワーク設定―[デバイス]
Fig.17

 「デバイス」タブ内では,設定したいデバイスを選択し「編集」ボタンを押すと,デバイスに割り当てているTCP/IPのIPアドレスを変更することができる。さらに階層下には「一般」「プロトコル」「ハードウェアデバイス」のタブが用意されており,「一般」ではコンピュータの起動時にデバイスをアクティブにするかどうかを設定するのだ(Fig.18)。

Fig.18■イーサネットデバイス―[一般]
Fig.18

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