「プロトコル」タブ内ではデバイスに割り当てるIPアドレスを設定する(Fig.19)。さらに右側の「編集」ボタンを押せば下側の画像のように「TCP/IP」タブが現れる。ここでの例はDHCPによるIPアドレスの取得にチェックされているため,特定のIPアドレスを指定していない。
Fig.19■イーサネットデバイス―[プロトコル] |
ここで設定をした内容は,/etc/sysconfig/network-scripts/ディレクトリ内の「ifcfg-デバイス名」と呼ばれるファイルに反映されている。
例えば,eth0というデバイス名をもつネットワークカードがDHCPで動作する場合には,/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルの内容は,次のようになる。
DEVICE=eth0 BOOTPROTO=dhcp ONBOOT=yes TYPE=Ethernet USERCTL=no PEERDNS=no |
また,イーサネットデバイスの設定には「ホスト名」と「ルーティング」という設定項目も見られる(Fig.20,Fig.21)。
Fig.20■TCP/IP設定―[ホスト名] Fig.21■TCP/IP設定―[ルーティング] |
ホスト名とは,サーバ自体の名称になるものだが,名前解決のためにDNSを利用している場合には無視される。後述する「DNS」タブ(FIg.23)の「ホスト名」項目で設定されたものが優先されるのだ。
「ルーティング」は,静的な経路情報を設定するものだ。設定したルーティング情報は,/etc/sysconfig/static-routesファイルに反映される。例えば,Fig.21に示したように192.168.100.0/255.255.255.0へのルーティング情報を設定した場合,static-routesファイルの内容は次のようになる。
eth0 net 192.168.100.0 netmask 255.255.255.0 gw 192.168.0.240 |
これ以外にも「ハードウェアデバイス」というタブもあり,ここでは物理デバイスのMACアドレスを設定したり,1つのデバイスに別名を関連づけたりすることも可能だ。
もういちど「ネットワーク設定」ツールに戻ろう。ここまでに「ハードウェア」と「デバイス」タブの設定内容について説明してきたが,それ以外にも「ホスト」と「DNS」という2つのタブがある。
「ホスト」タブページでは,DNSを使わない場合の(より正確にはDNSよりも優先される)静的なIPアドレスとホスト名との対応を記述しておく。標準では,サーバ自体(ローカルホスト)を示すアドレス「127.0.0.1」のみが登録されているはずだ(Fig.22)。
Fig.22■ネットワーク設定―[ホスト] |
「ホスト」タブ設定は,/etc/hostsファイルに記載される。FIg.22のように,127.0.0.1がlocalhost.localdomainに設定されている場合には,/etc/hostsファイルは次のように記述されているはずだ。
# Do not remove the following line, or various programs # that require network functionality will fail. 127.0.0.1 localhost.localdomain localhost |
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