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有効/無効/モジュールとは何?

 本文中で説明した「モジュールとして組み込む」という点について補足解説しておこう。
 モジュールとして組み込むというのは,カーネル本体には組み込まずに,別ファイル(ライブラリ)の形で用意しておくことで,必要に応じてメモリ上に読み込むことができる機能のことだ。
 モジュールをインストールするにはinsmodコマンド,削除するにはdelmodコマンドを使う。つまり,モジュールとして組み込んでおいた機能は,必要に応じてあとからinsmodコマンドやdelmodコマンドを使って,容易に有効化/無効化ができるのだ。
 有効にするのとモジュールとして組み込むのとでどちらがよいのかという点は難しいが,一般的な設定方法としては,環境の構成によって異なる拡張カードなどのデバイスドライバや,あまり使用頻度が多くないオプションに関してはモジュールとして組み込むというパターンが多い。
 なお,モジュールとして組み込んだときには,カーネルの再構築と同時にモジュールの再構築もしなければならない。モジュールは,make modulesを実行すると再構築できる。その方法については後述する。


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現在の環境設定を知るには

 カーネルの環境設定には,デバイスドライバの設定も含まれるため,あらかじめ自分のパソコンがどのような構成で動作しているのかを知っておかなければならない。

 自作パソコンであれば,どのような構成であるか分かるだろうが,そうではない場合には,どのような構成であるのかを知るのは難しいかもしれない。

 その場合には,次のコマンドを使うことで,現在の環境を知ることができる。
dmesgコマンド Linuxが起動したときに読み込まれたドライバなどの一覧を表示する。表示される内容は,Linuxの起動時に画面を流れるメッセージと同じだ(List 3)。lspciコマンド PCIバスに接続されている拡張カードの一覧を表示する(List 4)。なお,lspciコマンドは/sbinディレクトリに置かれているため,PATHの設定によっては,/sbin/lspciと入力しないと実行できないかもしれない。

 実際にカーネルの環境設定をする前に,この2つのコマンドを使って現在の環境を調べておくのがよいだろう。カーネルの各設定項目について,どの項目を有効にすべきなのかが分かるはずだ。


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