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2001年7月10日更新-
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セキュリティ:メール
第2回:「メールの安全性を考える(その2)〜スパムメール対策」
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第2回目の今回は,スパムメールについてだ。iモードへの迷惑メールは社会問題化しているが,これを例に挙げるまでもなく,迷惑メールは年々手口も巧妙化し,受け取る数も飛躍的に増加しているようだ。スパムメールを防ぐにはどうしたらよいのだろうか。
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メールの安全性を考える(その2)
〜スパムメール対策

 ここ数年,メールを利用した迷惑行為が多発している。特に迷惑メールに関しては,年々手口も巧妙化し,受け取る迷惑メールも飛躍的に増加している。最近ではiモードに代表される携帯電話でのメール受信にも迷惑メールが横行しており,TV-CMなどでも注意を喚起しているため,ご存知の方も多いだろう。NTTドコモでは「毎月最大400パケットの無料化及び迷惑メール対策の実施」なども始めてはいるものの,事態は深刻化しているようだ。パソコンを利用している側にとっても,日々送られてくる迷惑メールは困ったものだ。iモードに比べて課金的な問題はそれほどないとはいえ,読みたくもないメールが多く送られてくる現状を,何とか対処したいと考えている人も多いに違いない。

 前回,メールをハガキに例えてメール送受信の概要について触れたが,迷惑メールについても同様に考えてみよう。 自宅のポストに投函された郵便物で不要なものは何か?もちろん代表的なのは業者から送られてくるダイレクトメールだろう。また,受け取ることはまれかもしれないが「不幸の手紙」という迷惑行為もある。

 インターネットでも同様に,自分では頼んだ覚えもないダイレクトメールや,ねずみ講メールなどの迷惑メールがたびたび送信されてくる。こうしたメールは「スパムメール」と呼ばれている。

●スパムメールとは?

 「スパム」(SPAM)とは,元々アメリカのHormel Foodsで製造されている「ランチョン・ミート」(加熱食肉製品)で,日本でもディスカウントスーパーなどで目にすることができる缶詰のことを指している(スパムのオフィシャルサイト)。有名な話なのでほとんどの方はご存じだと思うが,「なぜ缶詰めが?」と思われた方のために一応おさらいしておこう。このスパムを用いたモンティ・パイソンの寸劇が,スパムメールの語源と言われることが多い(ほかの説もある)。

 レストランに訪れた夫婦が,料理を注文しようとメニューを見ると,そこにはスパムの入った料理しか見当たらず,スパムの嫌いな夫人はウエイトレスに文句を言い口論となる。しかし,バイキングが「スパム,スパム,スパム〜」と歌を歌い出し,夫人とウエイトレスの会話がその歌にかき消されてしまう。

 寸劇の内容はこのようなものだが,バイキングによって夫人とウエイトレスの会話ができなくなる,つまり何度もしつこく送られてくる迷惑メールによって,必要なメールが読めなくなるというニュアンスから,迷惑メールが「スパムメール」と呼ばれるようになったと言われているようだ。SPAM製造元のHormel Foodsにとっては迷惑な話だろう。

●チェーンメールとは?

 不特定多数に対し,信憑性のないメールの転送を促す行為のことを指している。「同じ内容のメールをすぐほかの人にも送り注意を喚起してください」などというメールが送られてきたら,チェーンメールと疑ってほぼ間違いない。

 内容はウイルスのデマ情報,ねずみ講の勧誘,無意味なメールなどさまざまだが,冒頭で触れた「不幸の手紙」のインターネット版と考えてもいいだろう。いったん配信されるとメールが次々転送され,情報が伝達されるスピードもインターネットならではの速さとなる。

 たとえばA氏がチェーンメールを受け取り,B氏,C氏,D氏にメールを送信する。さらにB氏がE氏,F氏,G氏へ送信するといったように,ねずみ算式にメールが配信されていくわけだ。そしてチェーンメールの内容がインターネット上の掲示板などで紹介されると,事情が分からない第三者がチェーンメールを配信する可能性もある。

 いずれにしても誤った情報を真実にみせかけたデマメールがほとんどであり,配信れるメールの量によってはメールサーバに多大な負荷をかけることになるため,非常に迷惑な行為といえる。

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