WebWasherでWebバグやクッキーをフィルタリング

 ここでは,プライバシーの保護に使用するソフトウェアとして「WebWasher」を紹介する。WebWasherはWebバグ,クッキーのフィルタリングや,ポップアップウィンドウ,REFERERの規制といったいくつかのフィルタリングを行うことで,Web閲覧時に不要な情報を流さないようにしてくれるソフトウェアだ(個人で使用する場合は無料)。

 WebWasherはプロキシサーバ(代理サーバ)として機能するため,複数台のコンピュータを使用しているのであれば,その中の1台をWebWasherインストールしたプロキシサーバとし,Web閲覧時にはWebWasherを介した接続を行うよう設定しておけば,すべてのコンピュータでフィルタリング機能を用いた接続を行うことが可能になる。

図3■WebWasherでWebバグをフィルタリングする
図3
WebWasherはWebバグ,クッキーのフィルタリングや,ポップアップウィンドウ,REFERERの規制といったいくつかのフィルタリングを行うことで,Web閲覧時に不要な情報を流さないようにしてくれるソフトウェアだ

 対応しているプラットホームは多少のバージョン違いはあるものの,Windows95/98/Me/NT/2000,Linux,MacOSで使用できる。今回はWindows98SE/RedHat Linux7.1/MacOS 9.2.2Jのそれぞれにインストールし使用してみたが,問題なく動作した。

○Windows98での設定方法
 WebWasherをインストールして,設定画面にて各種設定を行う。使用するブラウザの選択を行ったら,フィルタリングしたい項目をチェックすればよい。ここではブラウザの情報・Webバグ・REFERER情報にフィルタリングを行ってみる。

写真4
写真4■ここにチェックを入れるとブラウザの情報(HTTP_USER_AGENT)の変更を行うことができる。ただしブラウザの情報を変更することで逆に目立ってしまう(たとえばブラウザ情報を「ITmedia3.0」など,現実にないものを指定すると,そういったユーザーがほかにいないためアクセスしてきたユーザーが同同一であるとわかる)ため,通常のままフィルタリングせずに使用するのが賢明だろう。

写真5
写真5■Webバグのフィルタリングを行う場合はチェックをいれる。

写真6
写真6■REFERER情報を送信しないように設定する
・常にフィルタリングする
・ドメイン名か,パスが変わった際にはフィルタリングする
・違うドメイン名に移動したにはフィルタリングする
を選択できる。ホームページによっては,トップページからのREFERER情報がないと正常に表示されない細工がしてあるケースも考えられるので,信頼しているページはフィルタリングしないよう設定しておく必要がある

 このほかにもWebWasherでは,クッキーや広告画像のブロック,ポップアップウィンドウの規制などいくつかのフィルタリング設定が行える。

写真7
写真7■Linuxでの設定画面Linuxはブラウザで設定することが可能なので,Linuxを使用しているのであれば,そこにインストールしておくのもよいだろう

 WebWasherの設定が完了したら,どこかのWebページを閲覧してみよう。前述したBugnoisisと併用して確認してみるのもよいだろう。また,先ほども述べた確認くんなどのような,流れている情報を表示してくれるページなどで,あらかじめ情報を確認しておくという方法もある。

 ところで,メールに関してはWebバグに限らずウイルスの面からもHTMLメールの受信はしないよう設定しておいた方がよい。また,IPアドレスなどの情報を含め,さらに匿名性を高めたければ,「Anonymizer」などを使用してブラウジングを行うとう方法もある。

 インターネット上のプライバシーにそれほど過敏になる必要はないかもしれないが,これまで述べてきたような情報収集が行われていることを,知っておく必要はあるだろう。次回は,ソフトウェアに潜んでいる「スパイウェア」,そしてローカル環境でのプライバシー侵害行為について解説する予定だ。

[TTS,ITmedia]

PREV 4/4 space