●PostfixでのSMTP Authenticationの導入 |
今回は,SMTPサーバとしてPostfixを利用している場合のSMTP Auth導入について紹介する。なお本執筆ではディストリビューションはRedhat Linux7.2,Postfixのバージョンはpostfix Version 1.1.7を利用している。
・Cyrus SASLのインストール
PostfixでのSMTP Auth導入には,SASL(Simple Authentication and Security Laye-RFC2222)として「Cyrus SASL」ライブラリを利用する。なお,Redhat Linux7.2ではすでにCyrus SASLが組み込まれている。そのため新たにソースファイルからインストールを行うと正常に動作しなくなるので注意しよう。
まずはCyrus SASLがインストールされているかを確認する。
$ rpm -q cyrus-sasl cyrus-sasl-1.5.24-20 |
このように表示されていれば,Cyrus SASLはインストール済みだ。ただ執筆時点で,RedhatのアップデートサイトにCyrus SASLのアップデータが掲載されているので,「update.redhat.com」などからダウンロードして,事前にアップデートしておこう(リスト1)。
リスト1■アップデータ一覧
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・Cyrus SASLをソースファイルからインストールする場合
Cyrus SASLがインストールされていない場合は,ソースファイルからインストールを行う。Cyrus SASLのインストールは,下記のように行えばよい。
$ wget ftp://ftp.andrew.cmu.edu/pub/cyrus-mail/cyrus-sasl-1.5.27.tar.gz $ tar xzvf cyrus-sasl-1.5.27.tar.gz $ cd cyrus-sasl-1.5.27 $ ./configure --enable-login ※注釈1 $ make $ su password: # make install |
インストールしたら,「/etc/ld.so.conf」に,「/usr/local/lib」を追加する。
# ln -s /usr/local/lib/sasl /usr/lib/sasl # vi /etc/ld.so.conf /usr/X11R6/lib /usr/lib/gconv /usr/lib/qt/lib /usr/i386-linuxaout/lib /usr/lib/libc5-compat /usr/lib/sane /usr/local/lib ←これを追加する |
追加したら,以下のコマンドを実行する。
# /sbin/ldconfig |
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●Postfixの再コンパイル・インストール |
PostfixでのSMTP Auth導入にはPostfixを再コンパイルして再インストールする必要がある。Postfixの基本的なインストールについては,Linux Tips「メールサーバを動かしたい〜Postfix編〜」を参照してほしい。
$ wget ftp://ftp.ayamura.org/pub/postfix/official/postfix-1.1.7.tar.gz $ tar xzvf postfix-1.1.7.tar.gz $ cd postfix-1.1.7.tar.gz ($ make tidy) ←※注1 $ make makefiles CCARGS="-DUSE_SASL_AUTH -I/usr/include" AUXLIBS="-L/usr/lib -lsasl" ←※注2 $ make $ su password: # make install (以下,環境を設定) |
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