●Courier-Imapインストール

 最後に,Courier-Imapのインストールについて簡単に解説しよう。外部へサーバを公開するのであれば,外部で受信するメールクライアントはSSLやCRAM-MD5認証などに対応したものを利用し,セキュリティ対策を取ってからサーバを運営したほうがよいだろう。

$ wget http://prdownloads.sourceforge.net/courier/courier-imap-1.4.3.tar.gz
$ tar xvzf courier-imap-1.4.3.tar.gz
$ ./configure --without-authmysql --without-authldap
$ make
$ make check
$ su
password:
# make install

注意
※1:ここではconfigureでMySQL及びLDAPを検出しないように指定し,/etc/passwdに記載されたユーザ・パスワードでの受信としている。
※2:makeは一般ユーザで行わないと警告が出るので注意しよう。

●メールディレクトリの作成

 qmailを利用している場合は必要ないが,Postfixでmailbox形式からMaildir形式へ移行させた場合は,ユーザーのホームディレクトリにMaildirを作成する必要がある。各ユーザーのホームディレクトリで下記コマンドを入力しよう。

$ cd ~
$/usr/lib/courier-imap/bin/maildirmake Maildir

 新規ユーザー作成時に,自動的にユーザーホームディレクトリにMaildirが作られるように,「/etc/skel」にも作成しておくといいだろう。

#$/usr/lib/courier-imap/bin/maildirmake /etc/skel Maildir

●Courier-Imapの起動

 まず起動スクリプトのコピーを行う。

# cp /usr/lib/courier-imap/etc/imapd.rc /etc/rc.d/init.d/imapd

そして,Courier-Imapを起動する。

# etc/rc.d/init.d/imapd start

 以上で基本的なインストールは完了する。初期設定のままだと,ユーザー名やパスワードは平文で流されるので,メールクライアントが対応していれば,CRAM-MD5認証の設定も行っておくとよい。なお,前述したが,CRAM-MD5認証やSSLを使用する場合は別途設定が必要だ。これについては機会を改めて紹介したいと思う。

●自動受信メールのウイルススキャン

 fetchmailを利用した自動メール受信を行う場合,受信したメールをfetchmailからProcmailに受け渡し,IMAPフォルダの各ディレクトリに「メーリングリスト用」や「仕事用」などといった仕分けを行っていることが多いのではないだろうか。こういったケースでのウイルススキャンは,すでにMTAのウイルススキャン設定がされている前提であれば,fetchmailからローカルホストのSMTPに,そしてそこからprocmailに受け渡すように設定を変更すれば,fetchmailで受信したすべてのメールのウイルススキャンが可能になる(図1)。これは前回,前々回で解説したQmail ScannerそしてAMaViSどちらのウイルススキャナーを使用していても,同じように行える。

 なお今回は,Red Hat Linux7.2Jにて「qmail+QmailScannner+fetchmail+procmail+courier-IMAP」と「Postfix+Amavis+fetchmail+procmail+courier-IMAP」という,それぞれの環境でのウイルススキャンの検証を行っている。メールはMaildir形式だ。

図1■自動受信メールのウイルススキャンイメージ
図1

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