| ブックレビュー（1999年12月） |
日経オープンシステム別冊
新人SEのためのネットワーク入門
価格：3900円（税別）
体裁：A4変形版 202ページ
発行：日経BP社
発行日：1999年10月1日
『日経オープンシステム』に連載された「新人SEのためのネットワーク入門」（1998年4月号〜12月号，1999年4月号〜6月号）と「さわって分かるインターネットの基礎」（1998年9月号〜1999年3月号）を再編集して一冊にまとめたもの。TCP/IPの基礎からWWWや電子メールシステムといったインターネットアプリケーションの仕組みまで，最低限の内容を押さえられる。
全体は大きく5章から構成されている。TCP/IPネットワークの基本メカニズムを解説する第1章「基礎編」，ネットワークトラフィックを分析・検証しながら設計を学ぶ第2章「実践編」，インターネットアプリケーションのクライアント側について説明する第3章「アプリケーション編」，インターネットアプリケーションのサーバー側の仕組みを解説する第4章「さわって分かるインターネット」，基本的な用語を解説する第5章「基本用語」である。
全篇を通じて，用語解説や注釈，図説が豊富であるうえ，実際に手近な環境を使ってシステムの挙動を体験できるような記述が多いため，TCP/IPネットワークになじみの浅いSEにとっては，わかりやすい一冊といえるだろう。書名で「新人SEのための」と断ってあるとおり，あまり突っ込んだ記述はないものの，TCP/IPネットワークやインターネットシステムの挙動を大まかに掴むのには十分である。SEだけではなく，NetBIOSのネットワークに慣れ親しみ，TCP/IPのネットワークやシステムに明るくない管理者・設計者・開発者にもお勧めできるかもしれない。
ただし，電子メールにせよDNSにせよ，ファイアウォールを絡めた解説があまり見当たらないので，この一冊でインターネットのメカニズムがほぼ理解できるというものでもない。むしろ，イントラネットの挙動を掴むには十分な内容というべきだろう。
なお，本誌は『日経オープンシステム』の別冊であるため，書店の店頭で見かけることはあまりない。基本的に日経BP社から直販で入手することになるので注意してほしい。
実森仁志
 前のページへ |
Book Review |  次のページへ |
