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Chapter 1:クライアント/サーバーアプリケーションの仕組み

見出し 1.1 クライアント/サーバーアプリケーションへの移行

 まずは,スタンドアロンアプリケーションとクライアント/サーバーアプリケーションのどこが違うのかを見てみよう。両者の違いを理解すれば,スタンドアロンアプリケーションからクライアント/サーバーアプリケーションへと移行するときに,どのような点に注意すべきなのかについても理解できるはずである。

見出し 1.1.1 スタンドアロンアプリケーションモデル
 はじめに,従来の開発スタイルであるスタンドアロンアプリケーションモデルについて確認しておく。スタンドアロンアプリケーションモデルの特徴は,Fig.1-1に示すとおり,データベースにアクセスするプログラム(ユーザーインタフェースも含む)とデータベースのファイル(AccessのMDBファイルなど)が同じコンピュータ上に配置されることである。

Fig.1-1 スタンドアロンアプリケーションモデル
fig.1-1
 このとき,開発者はDAO(Data Access Object)やADO(ActiveX Data Objects)を使ってデータベースにアクセスする。たとえば,C:\db\sample.mdbというデータベースファイルのTABLE1というテーブルに含まれている全レコードから,IDというフィールドを取得して画面に表示するようなアプリケーションであれば,List 1-1(クリックして新規ウィンドウを開く)のようになるだろう。

 Visual Basic 6.0には,ADOと連携してレコードの内容を表形式で表示するDBGridコントロールや,簡易印刷するDataReportオブジェクトが付属している。また,ADOをコントロール化したADO Data Controlや複数のデータベースコネクションを管理するDataEnvironmentオブジェクトなどを用いれば,ADOのオブジェクトを直接操作することなく,より簡単にデータベースにアクセスすることができる。

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