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見出し はじめに

 Windows 2000 RC2(Release Candidate 2:2番目の出荷候補)がリリースされ,製品版へと一歩近づいた。いよいよ,Windows 2000の登場は間近である。Windows 2000の前身であるWindows NT 4.0は,1996年に登場して以来,Service PackやOption Packによって,インターネットやイントラネットで分散コンピューティングを推進するためのプラットフォームとして成長を続けてきた。

 Windows NT 4.0を分散コンピューティングプラットフォームとして活用するためのコアテクノロジとなっているのは,COM(Component Object Model)である。Windows 2000では,COMサービスとして拡張されたCOM+が姿を現すことになる。それに伴い,その呼称は「COMコンポーネント」から「COM+アプリケーション」へと変化し,その機能も単なる「部品」から「アプリケーション」へと進化する。

 COM+の開発環境としては,いくつもの選択肢がある。本稿では,そのなかから,オブジェクト指向プログラミングによる開発環境として最適で,COMアーキテクチャおよびCOMテクノロジを解説するのに適しているという点で,Visual C++を採用する。本連載を読み込むためには,C++の言語仕様についてある程度の知識が必要となるものの,読了すればCOMおよびCOM+の仕組みと実装について,深い知識を習得できるようになるものと信ずる。COMもCOM+も,まだまだ新しい技術であって,枯れきった安定したプログラミング技法とは言い難いが,Windowsプラットフォーム上で分散アプリケーションを開発するうえでは不可避の技術といってよい。本稿によって,ぜひCOMおよびCOM+についての知識を深めていただきたい。

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