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Chapter 4:DNS(Domain Name System) 〜委任と内部ルート〜

4.1.2 逆引きの委任

 以上の説明により,正引きの委任は上位のDNSサーバーにNSレコードを記述することで実現されることは理解できただろう。では,逆引きを委任するには,どうすればよいのだろうか。逆引きの委任は,実は正引きとは微妙に異なる。

 すでに「3.2.2 逆引きで利用される名前空間」でも説明したように,in-addr.arpaドメインはIPアドレスのクラスごとに管理されている。つまり,「各ネットワークアドレスの親ドメインはarpaドメインである」ことが特徴となっている。したがって,各ネットワークごとに管理を委任するのではなく,arpaドメインを管理しているDNSサーバーに委任してもらわなければならない。委任は,親ドメインを管理しているDNSサーバーにNSレコードを記述することで実現される(この点は,正引きの場合と変わらない)。逆引きで利用される名前空間では,arpaドメインが全ネットワークアドレスの親ドメインとなっているのだから,arpaドメインを管理している機関に委任を依頼する必要があるのである。

 本稿の執筆時点ではIPアドレスが枯渇していることから,IPアドレスの取得を申請しても,クラスCのネットワークアドレスをすべて割り当てられることはない。通常は,クラスCを分割したサブネットワークを取得することになる。そのため,arpaドメインを管理している機関に,わざわざ委任を依頼する必要はない。一般的に,IPアドレスを割り当てたプロバイダなどが自分で配布したIPアドレスを管理するか,あるいはIPアドレスを申請した組織のDNSサーバーにCNAMEレコードなどを追加して,問い合わせが処理されるように設定してもらう必要がある。OCN Tech Webのページには,OCNを利用する場合の指定方法と実現方法が記述されているので,興味があれば参照していただきたい。

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