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Chapter 9:既存DNSとの統合 〜BINDとの相互運用〜

見出し 9.2.1 Microsoft DNSサーバーの設定
 ここからは,実際の設定例を示す。ここで扱う事例は,Fig.9-3のようなネットワーク構成を採用しているものとする。

Fig.9-3 サンプルとなるネットワークの構成
fig.9-3

 このネットワーク構成は,基本的に「Chapter 8 Microsoft DNS 〜Windows 2000のみでの構成〜」で紹介したものと同じである。イントラネットで内部ルートを採用しており,DNSのドメイン名にはactive.dsl.local.を,Active Directoryのルートにはactive.dsl.local.を,それぞれ使用している。ネットワークアドレスは192.168.1.0であり,Microsoft DNSサーバーが192.168.1.100,BINDサーバーが192.168.1.101である。BINDサーバーは,active.dsl.local.ゾーンと1.168.192.in-addr.arpaゾーンのセカンダリサーバーとして構成する。

●相互運用性の確保
 ここでは,「Chapter 8 Microsoft DNS 〜Windows 2000のみでの構成〜」で設定したように,Microsoft DNSサーバーが正しく構成されていることを前提として話を進める。

 まず,BINDをセカンダリサーバーとして動作させても問題が生じないかどうか,Microsoft DNSサーバーの設定を確認する。最初に,ホスト名として使用されている文字の種類を確認する。[DNS]管理ツールでサーバー名を右クリックし,表示されたメニューから[プロパティ]を選択する。[詳細]パネルを開くと,ホスト名に使用される文字の種類についての設定項目が用意されている(Fig.9-4)。ここで,[名前の確認]を[厳密なRFC(ANSI)]に変更する。

Fig.9-4 サーバーのプロパティにおける[詳細]パネル
fig.9-4

 [サーバーオプション]の[BINDセカンダリ]は,ここで紹介する構成例では有効にする必要はない。このオプションは,BIND 4.9.4以前を使用するときに有効化する必要がある。デフォルトでは,ゾーン転送時に複数レコードの転送と圧縮をTCPによって実現するが,BIND 4.9.4以前ではこの機能をサポートしていないため,このオプションが用意されている。

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