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Chapter 9:既存DNSとの統合 〜BINDとの相互運用〜

  COLUMN   ドメイン名に使用できる文字について

 ホスト名に使用可能な文字の種類は,RFC952RFC1123で提唱されている。これらのRFCによれば,ホスト名に使用可能な文字は,アルファベット(A〜Z,a〜z),数値(0〜9),ハイフン(-)となっている。また,ホスト名は最大63文字まで,ホスト名とドメイン名の合計は255文字までとなっている。

 Microsoft DNSサーバーでは,ホスト名に利用可能な文字の種類を管理者が選択できるようになっている。文字の種類を確認したり選択したりするには,[DNS]管理ツールでサーバー名を右クリックし,表示されたメニューから[プロパティ]を選択する。[詳細]パネルを開き,[名前の確認]で利用したい文字の種類を選択する(Fig.9-4)。選択可能な文字の種類は,次の3つである。

  • [厳密なRFC(ANSI)]
     RFC1123に従った名前規則を使用する。
     
  • [非RFC(ANSI)]
     RFC1123の文字以外に,ASCIIキャラクタの使用を許可する。
     
  • [マルチバイト(UTF8)]
     Unicodeの使用を許可する。

 この選択肢からもわかるように,Microsoft DNSでは,RFC952RFC1123で定められた文字に加えて,Unicodeもサポートしている。RFC2181ではDNSのリソースレコードの名前にバイナリ文字列を使用できるように提唱しているが,Unicodeのサポートはこれに従って実装されている。BINDも8.2以降ではRFC2181をサポートしているので,BIND 8.2以降を使用しているのであれば,[マルチバイト(UTF8)]を選択してUnicodeを使用しても問題は生じないはずである。

 ただし,注意しなければならないのは,クライアントの環境である。Windows 2000のDNSクライアントではUnicodeの名前を使用することができるが,そのほかのWindowsクライアントはUnicodeの名前に対応していない。また,一般的なUnixシステムでも,DNSクライアントとしてUnicodeをサポートしているものはまれである。このようなクライアントを用いる場合,Unicodeのホスト名を使用してドメイン名を検索しようとしても,期待したようには動作しない。こうした混乱を避けるためにも,システム全体をWindows 2000のみで構成するのでない限り,Microsoft DNSサーバーでは[厳密なRFC(ANSI)]を選択しておくことをお勧めする。

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