この特集のトップページへ

モバイル環境への対応強化
見出し モバイル環境に最適な機能追加

 オフライン同期も,モバイル環境にはたいへん便利な機能といえる。オフライン同期とは,ファイルサーバー内のドキュメントとノートPC(ローカルマシン)のドキュメントとを同期させて,オフライン時でもオンライン時と同等の作業環境を実現する機能である,PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末機器)とWindowsとのあいだでは,PDAメーカー独自のソフトウェアによってすでに同様の機能が実現されているが,Windowsコンピュータ同士で同期をとる機能はWindows 2000が初めてとなる。ノートPCを携えて出先で仕事をする機会が多いユーザーには重宝するだろう。また,赤外線を用いた通信規格「IrDA(InfraRed Data Association)」も正式にサポートされたことから,ケーブルレスでオフライン同期を取ることも可能である。

 さらに,NTFS 5.0(NT File System Version 5.0)の新機能である「EFS(Encrypting File System)」を利用することによって,ハードディスク上のファイルを暗号化して保存することができるようになる。この機能を利用すれば,もしノートPCが盗まれたとしても,大事なデータまで盗み取られるといった最悪の事態は回避できることになる。ビジネスを左右する重要なデータを持ち運ぶユーザーには,重要な機能といえるだろう。ただし,EFSはあくまでもファイルシステム上での暗号化機能であって,ネットワーク上を伝送するときにまで効力が及ぶものではない。したがって,EFSで管理されているファイルを共有フォルダでネットワーク上に公開した場合,そのファイルがネットワーク上を伝送されるときには,データが復号化されてしまうことになる(当然ながら,ファイルを受け取った側でも,復号化されたファイルを受け取ることになる)。ネットワークレベルの暗号化を実現したい場合には,IPSecを利用するなど,別の対応が必要となるので,十分に注意してもらいたい。

Fig.9 オフライン同期の利用(上)と動作概念(下)

fig09l.gif

fig09r.gif
接続先のフォルダなどをオフライン同期の設定にしておけば,オフライン時にもそのフォルダ内のデータにアクセスできるうえ,変更した内容はオンラインになるたびに同期されるようになる。ただし,複数の人が同一のフォルダをオフラインフォルダとして利用している場合,オフラインフォルダ上の同じファイルに対して複数の人が修正を加えると,最後に更新されたものがマスタとして扱われ,ほかは履歴となる。

prevpg.gif W2K Professional 7/18 nextpg.gif