この特集のトップページへ

head1.gif モバイル環境への対応強化

 モバイル環境への対応が強化されたことも,Windows 2000にとってたいへん重要なポイントである。Windows NT 4.0は,モバイル環境で利用するにはいくつか問題もあったが,Windows 2000ではそれらの問題点が改善され,さらにいくつかの点で機能強化されている。

見出し 最新の電源管理機能を搭載

 まず1つ目の強化点が,バッテリー管理機能である。Windows NT 4.0を搭載したノートPCでは,サードパーティ製の電源管理ソフトウェアによって簡単なバッテリー管理機能を追加していたにすぎないが,Windows 2000ではACPI(Advanced Configuraton and Power Interface)と呼ばれる電源管理機能をOS自身が備えることで,本格的なバッテリー管理を実現している。

 ACPIは,インテル,マイクロソフト,東芝アメリカによって定められた電源管理システムである。電力管理機能といえばAPM(Advanced Power Management)が有名で,Windows 95の発売と前後して,さまざまなコンピュータで採用されたことは記憶に新しい。ところが,APMはBIOSとOSとのあいだだけで定められた規格なので,ハードウェアを管理する方法についてはBIOS側に一任されている。このため,APMはお世辞にも使い勝手がよいとはいえず,結局ACPIにその座を譲り渡すことになったのだ(ちなみに,Windows NT 4.0はAPMにさえも対応していなかった)。

 ACPIは,ハードウェア,OS,BIOSが三位一体となって電源を管理する点が最大の特徴である。管理の中枢部はOS(つまりWindows 2000)に実装されており,この点でAPMと大きく異なる。このように,OSが直接電源を管理する機能を,OSPM(Operating System Directed Power Management)と呼んでいる。ACPIでは,ISAスロットやPCIスロットなどに装着されたデバイス,USBやIEEE1394などに接続されたデバイスなども電源管理の対象とすることができる。このため,ノートPCだけでなく,デスクトップコンピュータやサーバーコンピュータなどにも幅広く適用できるのである。

 Windows 2000の電源プロパティは,Windows 98とかなり似通っている。電源設定は[常にオン]や[バッテリーを最も長持ちさせる]などから選択できるうえ,スタンバイモードやハイバネーションモード(休止状態)といった電源モードにも対応している。ハイバネーションモードとは,システム内容(システム状態やメインメモリの内容)をハードディスクドライブに待避させて電源を遮断する電源モードであり,ノートPCでは重要な機能となる。また,Windows NTからの流れとして,UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源)に関する設定項目も用意されている。

Fig.8 電源プロパティ

fig08.gif Windows 2000の電源プロパティは,Windows 98のものとたいへんよく似ている。Windows NTから継承された機能として,UPSについて設定する項目も見受けられる。

prevpg.gif W2K Professional 6/18 nextpg.gif