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> Windows 2000 Professional インストール攻略
インストールの準備
Windows 2000 Professionalをインストールするまえに,ハードウェア要件やインストールプログラムの実行要件などについて,確認しておこう。既存のオペレーティングシステムからアップグレードする場合には,アップグレードパスについても確認する必要がある。また,ほかのオペレーティングシステムとデュアルブート構成にする場合は,その前提となる要件についても把握しておかなければならない。
インストールに先立つ準備は,インストールにあたって無用のトラブルを予防するために必要不可欠の作業である。スムーズにインストールを進められるように,インストールにあたっては慎重に準備を進めてほしい。
ハードウェア要件
まず,Windows 2000 Professionalのインストールに必要となるシステム要件をTable 1に示す。ただし,Table 1に示した要件は,Windows 2000 Professionalを起動させるために必要となる最低限の環境である。つまり,この表で示したとおりの環境にWindows 2000 Professionalを導入しても,パフォーマンスなどの点で問題が生じる可能性が高い。十分な性能を得るには,最低でもTable 2に示す要件を満たしたいところである。用途によっては,SMP(Symmetric MultiProcessing)構成やRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disk)構成のコンピュータを用意すると,性能が向上するだろう。
Table 1 Windows 2000 Professionalのインストールに必要なシステム要件CPU | Pentium 133MHz以上のIntelプロセッサおよびその互換プロセッサ |
メモリ | 32Mバイト以上(64Mバイト以上を推奨) |
ハードディスク | 2Gバイト程度(650Mバイトの空き容量が必要) |
CPU | Pentium II 350MHz以上のIntelプロセッサおよびその互換プロセッサ(最大で2CPU) |
メモリ | 128Mバイト以上,できれば256Mバイト以上 |
ハードディスク | 650Mバイト以上+物理メモリの容量×2 |
ただし,実際にはWindows 2000 Professionalの用途によって,準備すべきシステム要件は異なる。特に,メモリとハードディスクの容量については,Windows 2000 Professionalの用途を十分に検討して見積もってもらいたい。
また,必要とされるハードディスクの容量は,インストール方法によっても変化する。もしFATパーティションにインストールするならばTable 1に示した容量よりも100M〜200Mバイト程度,アップグレードインストールやネットワークインストールならば300M〜400Mバイト程度の余裕がほしい。
上記以外のシステム要件については,HCL(Hardware Compatibility List)を参照してほしい。HCLは,マイクロソフトのホームページに掲載されているほか,Windows 2000のCD-ROMにも\Support\HCL.TXTファイルとして収録されているので,参照してほしい。
Windows 2000での利用にあたって問題が生じる(あるいは生じるおそれのある)ハードウェアの情報が,Windows 2000のCD-ROMのルートディレクトリに収録されているREADME.DOCファイル(リリースノート)に掲載されている。ネットワークアダプタについてはp.36〜51,モデムやISDN関連についてはp.51〜56,記憶装置についてはp.56〜58,グラフィックアダプタについてはp.58〜61で説明されているので,必ず参照してもらいたい。
なお,マザーボードのBIOSなどを更新しないと,Windows 2000 Professionalが動作しないこともある。特にAPMやACPIに関連する機能は,BIOSをアップグレードしないと正常動作しないことが多いので,注意してほしい。コンピュータベンダーやマザーボードベンダーのホームページを確認し,自分のマザーボードのBIOSが更新されていないかどうかを確認しよう。ただし,新しいBIOSには不具合が含まれていることもあり得る。トラブル事例が存在しないかどうか,あらかじめサポート情報などを確認するようにしたい。なお,APMやACPIにかかわる情報については,Windows 2000のCD-ROMのルートディレクトリに収録されているREADME.DOCファイル(リリースノート)のp.62〜64にも記述されているので,参考にしてほしい。
また,すでにニュース系サイトで報道されているように,Windows 2000にはWDM(Windows Driver Model)と呼ばれるデバイスドライバ仕様が採用されている。WDMは,Windows 2000とWindows 98のデバイスドライバを共通化する目的で策定された仕様であり,WDMに基づいて実装されたデバイスドライバであれば,原理的にはWindows 98用のデバイスドライバをWindows 2000でも使用できる。しかし,WDMは比較的厳しい規約であり,デバイスドライバのなかにはWDMの仕様を正しく満たしていないものもある。つまり,Windows 98用のデバイスドライバのなかには,Windows 2000で使えるものもあれば,使えないものもある。現実問題として,Windows 98用のデバイスドライバをWindows 2000でも使えるか否かは,各ベンダーに問い合わせるか,実際に導入して確かめてみるよりほかにない。なお,海外製品のデバイスを利用している場合であれば,WinDrivers.comなどを利用してメーカーのホームページや連絡先を探してみるのもよいだろう。
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