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> Windows 2000 Professional インストール攻略

iconアップグレード要件

　インストールされている既存のオペレーティングシステムから設定内容を引き継ぎ，Windows 2000 Professionalにアップグレードすることも可能である。ただし，アップグレードインストールすることができるのは，下記に示すパスのみである。ここで示すパス以外は，新規インストールを選択しなければならない。アップグレードできないパスは，技術的に不可能なものだけではなく，ライセンス上不可能なものも含まれるので，運用上は十分に注意してほしい。

Windows 2000 Professionalへのアップグレード
Windows NT Workstation 3.51
Windows NT Workstation 4.0
Windows 95（OSR1/OSR2を含む全リリース）
Windows 98（Second Editionを含む全リリース）

　ところで，Windows 2000はWindows NTの後継オペレーティングシステムであるため，Windows 98やWindows 95からアップグレードインストールしても，レジストリ構造の違いによってユーザーやアプリケーションなどの情報は移行できないように思いがちである。しかしWindows 2000のセットアッププログラムは，Windows 98やWindows 95のユーザー情報やアプリケーション情報を，Windows 2000環境にきちんと復元してくれる。もちろん，すべてのユーザーやアプリケーションをうまく移行させられるわけではないのだが，代表的なアプリケーションについてはアップグレードインストールの過程で問題点の有無を指摘してくれるので，その点での移行コストは低くすむ。

注意 Windows 98やWindows 95で利用しているユーザー名とパスワードの組み合わせは，残念ながら移行されないようである。ユーザー名は移行できるが，パスワードは移行されない。最初にWindows 2000を起動させた時点で，登録されている全ユーザーとAdministratorに共通するパスワードを入力するようになっている。なお，Windows 98からアップグレードする手順とその注意点をコラムとしてまとめたので，参照していただきたい。

　とはいえ，アップグレードインストールする場合には，Windows 2000での動作が保証されていないアプリケーションもそのままWindows 2000環境に含まれてしまうため，トラブルに見舞われるおそれは確実に高くなる。特にWindows 98やWindows 95からアップグレードする場合には，十分に注意していただきたい。アップグレードインストールの途中で「Windows 2000での動作に支障を来すアプリケーションは発見できませんでした」などのメッセージが表示されても，それは「動作することを保証する」ものではなく，「単に情報不足で見分けられなかっただけ」である可能性が高い。Windows 2000における各アプリケーションごとの対応状況は，それぞれのベンダーのホームページなどを参考にして，解決していただきたい。

　なお，現在使用している環境がアップグレード要件を満たしているかどうかを確認したいときには，セットアッププログラム（WINNT32.EXE）を起動するときに，次のようにして/checkupgradeonlyオプションを指定してみよう。このオプションを指定してセットアッププログラムを実行すると，セットアッププログラムは実際にWindows 2000をインストールするのではなく，すでに発覚している障害情報を元にしてアップグレードした場合の互換性レポートを提供してくれる（レポートのサンプルを参照）。このレポートは，Windows 98やWindows 95から実行した場合はWindowsフォルダにupgrade.txtファイルとして，Windows NTから実行した場合はWinntフォルダにWinnt32.logファイルとして，それぞれ作成される。ただし，既述のとおり，このレポートの対象となるのは著名な商用アプリケーションだけである。このレポートで指摘されなかったからといって，インストールされているアプリケーションがWindows 2000で問題なく稼動することが保証されるわけではない。その点では，あくまでも参考レベルにとどめたほうが妥当であろう。

　また，アプリケーションの互換性については，Windows 2000のCD-ROMのルートディレクトリに収録されているREADME.DOCファイル（リリースノート）のp.64〜95およびp.106〜110にも記述されている。障害の発生が確認されているアプリケーションについて報告されているので，アップグレードインストールを試みる場合には，必ず参照していただきたい。

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