この特集のトップページへ
> Windows 2000 Professional インストール攻略

  COLUMN   Windows 98からのアップグレード(その1)

 Windows 98やWindows 95からアップグレードインストールする場合には,本編中で解説したよりも設定項目は格段に少なくなる。既存のオペレーティングシステムの設定情報を極力引き継ぐからである。しかし半面,Windows 2000を新規インストールした場合と比べると,設定面で変わってくる部分や注意しなければならない部分もある。ここでは,それらについて概説する。

 アップグレードインストールする場合,通常はWINNT32.EXEを実行することになる。WINNT32.EXEを実行してFig.3で[Windows 2000にアップグレードする]を選択すると,[ライセンス契約]画面(Fig.4)が表示されたあと,[Windows 2000へのアップグレードの準備中]画面となる(Fig.35)。

Fig.35 Windows 2000へのアップグレードの準備中

fig35.gif

 [次へ]ボタンを押すと,[アップグレードパックの提供]画面が表示される(Fig.36)。アップグレードパックとは,インストールずみのアプリケーションをWindows 2000に対応させるため,各ソフトウェアベンダーが提供する差分パッケージのことである。アップグレードパックがあれば,Windows 2000のインストールに伴ってアプリケーションもアップグレードすることができる。もしアップグレードパックを持っていないのであれば,[いいえ]を選択して[次へ]ボタンを押す。

Fig.36 アップグレードパックの提供

fig36.gif

 すると,[Windows 2000 NTFSファイルシステムへのアップグレード]画面が表示される(Fig.37)。NTFSに変換したい場合には[はい]を,FATまたはFAT32のままインストールしたい場合には[いいえ]を選択する。デフォルトは[いいえ]である。NTFSへの変換はWindows 2000のインストール後もCONVERT.EXEを利用して実行できるので,この段階で無理にNTFSに変換する必要はない。NTFSに変換すれば,高度な自己修復機能やセキュリティ機能を利用できるようになるが,パーソナルユースであれば,FATやFAT32のままで利用しても,問題になることはあまりないだろう。

Fig.37 Windows 2000 NTFSファイルシステムへのアップグレード

fig37.gif

 [次へ]ボタンを押すと,[アップグレードレポートの準備]画面となる。この画面では,アップグレードの対象となるコンピュータに導入されているデバイスドライバやアプリケーションをチェックし,Windows 2000での動作に問題が生じることがわかっているもの,あるいはその可能性があるものを探索する。コンピュータの探索が完了すると,問題が発生する,あるいは発生する可能性のあるデバイスドライバやアプリケーションを報告する画面が表示される(Fig.38, Fig.39)。必要であれば,アプリケーションの障害情報は印刷したりファイルに保存したりすることができる。ただし,ここで報告される障害情報は,著名なアプリケーションにおける既知の問題だけである。問題が報告されなかったからといって,すべてのアプリケーションがWindows 2000で問題なく稼働するとは限らない。注意していただきたい。アップグレードレポートの内容を確認したら,[次へ]ボタンを押す。

Fig.38 プラグアンドプレイの更新されたファイルの提供

fig38.gif

Fig.39 アップグレードレポート

fig39.gif

 [Windows 2000インストールの準備完了]画面が表示される(Fig.40)。表示内容を確認して[次へ]ボタンを押すと,ファイルのコピーが開始される。このあと,Windows 2000のインストールが完了するまで,ユーザーの作業は必要なくなる。Windows 2000がインストールされて各種設定が保存されたあと,パスワードの入力を求められるまで(Fig.43), ユーザーはコンピュータのまえに貼り付いている必要はない(コンピュータのスペックにもよるが,1時間程度の時間がかかる)。

Fig.40 Windows 2000インストールの準備完了

fig40.gif

 ファイルのコピーが終了すると,15秒後にコンピュータが再起動してインストール作業が続行される。すぐに再起動させたくない場合には,15秒以内に[再起動しない]ボタンを押す。すると,再起動しないで既存オペレーティングシステムに制御が戻る。再起動させると,二度とWindows 98やWindows 95を起動させることはできなくなるので,作業ファイルのバックアップなど,やり残した作業があれば,この時点で実施しておく必要があるだろう。

 なお,Windows 98をRC2へとアップグレードインストールして検証した範囲内では,RASのユーザー名とパスワードがWindows 2000の環境に引き継がれなかった。もし控えを取っていないのであれば,ここで控えを取るべきだろう(もっとも,パスワードは表示されないので控えを取ることはできないが)。

prev
前のページへ
Windows 2000 Professionalのインストール 14/19 next
次のページへ