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> Windows 2000 Professional インストール攻略

iconネットワークの識別とログオン

 再起動すると,Windows 2000 Professionalの起動が始まる。起動画面が表示されたあと,しばらくたつと[ネットワークの識別ウィザード]が表示される(Fig.30)。

Fig.30 ネットワークの識別ウィザード

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 [次へ]ボタンを押すと,そのコンピュータにログオンするユーザーを指定する画面が表示される(Fig.31)。デフォルトでは[常に次のユーザーがこのコンピュータにログオンすると見なします]が選択されているが,この設定では起動時にログオン作業が省略されてしまうことから,セキュリティ上あまりお勧めできない。できるだけ[このコンピュータを使うには,ユーザー名とパスワードを入力する必要があります]を選択してほしい。もちろん,コンピュータの設置場所が自宅であり,利用者は間違いなく自分だけである(一人暮らしなど)ならば,[常に次のユーザーがこのコンピュータにログオンすると見なします]を設定してもかまわない。しかし,たとえ利用者が自分だけであっても,持ち運び可能な携帯PCなどであれば,セキュリティを考慮して[このコンピュータを使うには,ユーザー名とパスワードを入力する必要があります]を選択すべきだろう。なお,[ネットワークの識別ウィザード]における[名前]の欄は,[常に次のユーザーがこのコンピュータにログオンすると見なします]を選択した場合にのみ有効となる。ここには,インストールの途中で入力したユーザー名が表示される。

Fig.31 このコンピュータのユーザー

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 [次へ]ボタンを押すと[ネットワーク識別ウィザードの終了]画面が表示されるので,[完了]ボタンを押す(Fig.32)。

Fig.32 ネットワーク識別ウィザードの終了

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 Fig.31の画面で[このコンピュータを使うには,ユーザー名とパスワードを入力する必要があります]を選択した場合には,[Windowsにログオン]ダイアログボックスが表示される(Fig.33)。これに対して,[常に次のユーザーがこのコンピュータにログオンすると見なします]を選択した場合には,Fig.33の画面は表示されずにそのままログオンは完了し,Windows 2000のデスクトップ画面となる(Fig.34)。

Fig.33 Windowsにログオン

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 Fig.33の画面で,ユーザー名“Administrator”に対し,インストールの最中に設定したパスワードを入力すると,管理者権限でWindows 2000 Professionalにログオンできる。管理者権限とは,そのコンピュータとオペレーティングシステムに対して,あらゆる操作を実行可能なセキュリティ権限である。

 セキュリティにかかわる言葉は,Windows 98やWindows 95のユーザーには耳慣れないかもしれないが,Windows 2000はWindows NTの後継オペレーティングシステムであるだけに,このような言葉や概念から完全に逃れることはできない(し,逃れることをお勧めもできない)。たとえば,Windows 98やWindows 95の場合は,ログオン画面で[キャンセル]ボタンを押したり,適当なユーザー名とパスワードの組み合わせを新たに入力したりすることで,コンピュータを起動させ,あらゆるファイルにアクセスすることができた。しかしWindows 2000では,Fig.31の画面で[常に次のユーザーがこのコンピュータにログオンすると見なします]を選択したのでない限り,常にログオン作業を要求され,これを省略(キャンセル)することはできない。また,登録されていないユーザー名とパスワードでログオンすることもできない(むろん,パスワードを忘れてしまうと,まったくログオンできなくなる)。さらに,ログオン時に指定したユーザー名に基づいてグループやアクセス権限が割り当てられるため,ユーザーによってはアクセスできないファイルもあるし,実行できない操作もある。

 このように,セキュリティが強固であるために,Windows 2000を利用すれば,家族や同僚に誤ってファイルを削除されたり,見られたくないファイルを見られたりすることはなくなる(もちろん,アクセス権限などを適切に設定すれば,の話である)。しかし半面,どのユーザーでもあらゆる作業を実行できたWindows 98やWindows 95とは異なり,ユーザーを使い分けたり,アクセス権限を把握したりすることが求められる。この結果,ユーザーによっては「難しい」とか「融通が利かない」とか「不便である」などと感じる局面もあるかもしれない。実はこのあたりは,アクセス権限の設定次第でどうとでもなる部分ではあるのだが,とりあえずここでは「Windows 2000にはセキュリティの概念があるのだ」と理解してもらいたい。

 なお,Fig.33における[ユーザー名]の欄には,Fig.31の[ユーザー名]の欄に表示されていた名前を指定してもかまわない。デフォルトでは,このユーザー名にも管理者権限が割り当てられる(Administratorsグループの参加者となる)。

 さて,Fig.33で指定したユーザー名とパスワードでのログオンに成功すると,ユーザーごとの設定が反映され,Windows 2000 Professionalのデスクトップ画面が表示される(Fig.34)。初回起動時は[Windows 2000の紹介]ダイアログボックスが表示される。必要に応じて,この画面からユーザー登録したり,Windows 2000の機能概要を参照したりすることになる。

Fig.34 Windows 2000 Professionalのデスクトップ

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