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head1.gif 1.1 Windows 2000というOS

 Windows 2000は,もともと「Windows NT 5.0」として開発されてきたOSであり,マイクロソフトのWindowsプラットフォームのなかでは「Windows NT 4.0」の後継OSにあたる。にもかかわらず,バージョン番号を単純に「4.0」から「5.0」へと増やすのではなく,まったく新しい「Windows 2000」という製品名を採用した理由は,大きく2つあるという(Windows NT 5.0からWindows 2000に改称したのは1998年10月である)。

head2.gif 1.1.1 Windows NTカーネルへの統合
 まず1つ目は,Windows 2000が,Windows 98(などを含むWindows 9xカーネルのOS)とWindows NT(Windows NTカーネルのOS)という2つの製品ラインナップを一本に統合する「きっかけ」となる製品だからである。「徹底レビュー!! Windows 2000 Professional」でも述べるように,Windows 2000はWindows NTとWindows 98の長所を相互に取り入れた仕様となっているため,「ホームユースにはWindows 98」「ビジネスユースにはWindows NT」といったこれまでの垣根を取り払うことができる(もっとも,現実には業務用途でもWindows 98が多く使われているのだが)。つまり,ほとんどのユーザーは「Windows=Windows 2000」としてOSを選択すればすむようになる。これにより,ユーザーは使用目的に合ったOSを,Windows 2000ファミリのなかから簡単かつ的確に選択できるようになるのである。

 とはいえ,すでにニュース媒体などでも報じられているとおり,Windows 2000が発売されたあとにも,Windows 9xカーネルのOSとして「Consumer Windows in 2000」(仮称。コードネームは「Millennium」。製品名は「Windows Millennium Edition」)の提供が予定されており,2000年中は確実にWindows 9xカーネルのOSとWindows NTカーネルのOSが併存してゆくことになる。しかし,Windows 2000はWindows 9xとWindows NTの統合を見据えた最初のOSであることから,「統合する『きっかけ』」と表現することも,あながち誤りではない。Windows 2000の登場によって即座にWindows NTカーネルへと統合されるわけではないものの,Windows NTカーネルへの移行が促進されることは間違いないのである。

Fig.1-1 Windowsロードマップ

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Windows 2000に続いてWindows 9xカーネルを採用したコンシューマ向けOS「Consumer Windows in 2000」(コードネームは「Millennium」。製品名は「Windows Millennium Edition」)の提供が予定されている。Consumer Windows in 2000がパッケージ製品として販売されるのか,Service Packのようなマイナーバージョンアップ版として提供されるのかは,Windows 2000 Professionalの販売状況次第だろう(ちなみに,本稿の執筆時点では,Consumer Windows in 2000の日本語Beta1が提供されている)。ある程度の不確定要素はあるものの,Windows 2000の後継OSとして噂される「Whistler」(コード名)が登場するまでは,Windows 9xカーネルとWindows NTカーネルは,確実に併存することになる。ただし,Windows 2000の登場によって,Windows NTカーネルへの移行が促進されることも,また事実である。

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