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head2.gif 1.1.2 体系化されたOS製品群の提供
 2つ目に,「Windows NT」という名前がクライアント製品とサーバー製品のどちらを表しているのか,判別しにくい状況にあったことが挙げられる。マイクロソフトは,「Windows NTの代わりにWindows 2000という名前を使用することで,このような混乱を十分に避けられる」としている。

 従来のWindows NTには,クライアントOSである「Windows NT Workstation」と,サーバー製品である「Windows NT Server」という2つの製品が存在していた。しかしどちらも,その主要なターゲットはハイエンドユーザーであり,しかも両者ともLAN(Local Aria Network)に代表されるネットワークシステムの存在を前提として語られる機会が多かった。このため,曖昧ながらも,Windows NTのことを単なるOSではなく,むしろネットワークOSである――と理解していたユーザーのほうが多かったのではないだろうか。

 ところが,Windows 2000は個人ユースのクライアントOSとしても立派に通用する使い勝手と機能を備えている。もちろん,「クライアントOS」というからには,サーバーも存在するネットワーク環境下で利用してこそ,その機能を最大限に発揮できるのだが,スタンドアロンのOSとして見た場合も,高い安定性と機能性を発揮する(特に,モバイル端末のようにネットワークから一時的に切り離されるような場合にも利便性が高い)。

 以上のような点を考えると,Windows NTという名前にまつわる既成観念は,ユーザーに大きな混乱をもたらしかねない。そこで,Windows 2000という製品のなかに,クライアントOS,サーバーOS,エンタープライズサーバーOS,……という体系化された製品ラインナップを設け,Windows 2000がクライアントからサーバーまでを担うスケーラビリティを備えたソリューションであることを改めて示したのである。

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