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5.1.4 ネットワークアドレスの変換
●インターネット接続共有

 インターネット接続共有は,SOHO(Small Office Home Office)ネットワーク環境下にある任意のコンピュータからインターネットに接続するときに利用される機能である。たとえば,「インターネット接続共有」と「ダイヤルアップ接続」を構成しているWindows 2000を経由し,家庭内のローカルネットワークに接続されている任意のコンピュータからインターネットサービスプロバイダにダイヤルアップ接続して,インターネット上のリソースにアクセスできるようになる。

 インターネット接続共有の機能を利用すると,SOHOネットワーク上のすべてのコンピュータに,ネットワークアドレス変換(NATサービス),アドレス指定(DHCPサービス),名前解決(DNSサービス)という各サービスが提供される。つまり,インターネット接続共有が有効に設定されているWndows 2000ベースのコンピュータが,ネットワーク内のすべての内部IPアドレス(192.168.0.2から192.168.0.254,インターネット接続共有コンピュータのLANには19.168.0.1が割り当てられる)を管理するようになっている。そのため,ネットワーク内のコンピュータに静的にIPアドレスが割り当てられていたり,ネットワーク内にほかのActive Directoryのドメインコントローラ,DNSサーバー,ゲートウェイ,DHCPサーバーが存在していたりする場合には,この機能を使用することはできない。

Fig.5-8 インターネット接続共有の動作
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 インターネット接続の共有を有効にするには,[コントロールパネル]の[ネットワークとダイヤルアップ接続]を実行し,インターネット接続されているインタフェースのプロパティを開き,[共有]パネルで[この接続でインターネット接続の共有を有効にする]をチェックすればよい。利用を許可するアプリケーションやサービスを制限したいときには,[設定]ボタンを押し,必要な項目を設定する。

Fig.5-9 インターネット接続共有の設定
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注意 [ルーティングとリモートアクセスセットアップ]ウィザードで[インターネット接続サーバー]を選択し,[インターネット接続の共有(ICS)をセットアップ]を選択しても,インターネット接続の共有を構成することができる。

 インターネット接続共有を有効にすると,特定のプロトコル,サービス,インタフェース,ルートが次のように自動構成される。

Table 5-3 インターネット接続共有による自動構成
IPアドレス 192.168.0.1
サブネットマスク 255.255.255.0
オートダイヤル機能 有効
DHCPサービス 192.168.0.1〜192.168.0.254(サブネットマスク:255.255.255.0)
DNSプロキシ 有効

 インターネット接続共有を利用してインターネット上のリソースにアクセスしたいSOHOネットワーク環境下のコンピュータは,(1) IPアドレスを自動的に取得するようにTCP/IPを構成し,(2) インターネット接続共有できるようにインターネットオプションを構成する必要がある。

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