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head1.gif 5.2 リモートアクセスサービス

 近年は,LANやインターネットを中核とした情報通信ネットワークが身近なものとなっている。インターネットの爆発的な普及によって,企業内のLANをWANやインターネットと接続し,大規模なインターネットワーキングを構築する流れが一般化している。このようなインターネットワーキング環境では,電子メールやグループウェア,データベースなど,さまざまなジャンルのアプリケーションを用いて情報が共有されている。情報共有が進み,システムの必要性が高まるにつれ,単純に社内からネットワークと接続するだけではなく,地理的に離れた支店や営業所,出張先のホテル,あるいは自宅などから,組織の内部ネットワークと接続したり,インターネットと接続したりすることが求められるようになっている。このように,場所や距離に依存することなくネットワークを介して情報を共有するためには,どこからアクセスしても一定の性能を発揮する安定性と,利用者が安心して利用できるセキュリティが必要となる。

 また,従来,遠隔地の支店やビジネスパートナーとネットワークで情報を共有するには,専用線などの高価な回線を利用するか,低速の公衆回線を利用する以外に選択肢はなかった。しかし現在では,高速なISDN回線や常時接続のインターネット回線を低コストで利用できるようになりつつある。仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network:VPN)は,高価な専用線を使用することなく,インターネットを経由して企業間または支店間などを結ぶネットワークを安全に実現する技術である。VPNを利用すると,不特定多数のアクセスポイントからダイヤルアップし,インターネットを介して自分の組織のLANと安全に接続できるようになる。つまり,許可されたノード間で安全な通信とユーザー認証を実現しつつ,従来主流となっていたWAN回線と比較して大幅なコストダウンを見込めるようになるのである。

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