Windows 2000ネットワーク解剖
サイトの分割とログオンの挙動

優先ブリッジヘッドサーバー

 サイトに複数のドメインコントローラが存在する場合,すべてのドメインコントローラがそれぞれ複製を実行するよりも,1台のドメインコントローラが別のサイトとの窓口となり,優先的に複製情報を送受信したほうが効率的である。

 Fig.9を例にしてみよう。左側のサイトから複製データを受信するとき,複製するオブジェクトをドメインコントローラBから送信し,ドメインコントローラDが優先的に受信したあと,それをドメインコントローラEとFに複製すれば,WAN上のトラフィックを削減できる。Active Directoryでサイトを作成すると,この仕組みが自動的に適用される。このとき,ドメインコントローラBとDは,「優先ブリッジヘッドサーバー」と呼ばれる役割を担う。優先ブリッジヘッドサーバーはシステムにより自動的に割り当てられるが,管理者が指定することも可能である。また,優先ブリッジヘッドサーバーを複数指定することもできるが,複数の優先ブリッジヘッドサーバーが同時にアクティブになることはなく,1台のドメインコントローラのみがアクティブとなる。

Fig.9 優先ブリッジヘッドサーバー(図版をクリックすると拡大可能)
fig9

 優先ブリッジヘッドサーバーを指定するには,[Active Directoryサイトとサービス]管理ツールを使用する。

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