組み込み機器においても、製品をサービスの一部として機能させる「IoT」的な思想が急速に広まった。それと同時に、ネットワークやセキュリティなどIT技術の重要度も高まっている。また、開発効率の向上や品質改善は依然として大きな課題だ。2020年にはエンドデバイスの数が300億個にも達するとされるとも言われる中、組み込みエンジニアはどのように開発にあたるべきか。最新のテクノロジー動向とともにお伝えする。

講演一覧

カーナビメーカーは高齢者の薬の飲み忘れを防げるか

カーナビメーカーは高齢者の薬の飲み忘れを防げるか

クラリオン株式会社
経営戦略本部 経営戦略部 経営戦略グループ 担当部長
ヘルスケア事業推進PJサブリーダー
井上 明 氏

株式会社日立システムズ
産業・流通事業グループ 産業・流通営業統括本部
インフラサービス拡販推進本部 インフラサービス拡販推進部
部長代理
服部 隆 氏

筋電センサーで進化する義手開発 〜生体信号処理技術とIoT〜

筋電センサーで進化する義手開発 〜生体信号処理技術とIoT〜

株式会社メルティンMMI
取締役執行役員 COO 博士(工学)
粕谷 昌宏 氏

ドコモが描く5Gの世界

ドコモが描く5Gの世界

株式会社NTTドコモ
先進技術研究所 5G推進室 室長 主席研究員
中村 武宏 氏

講演概要

カーナビメーカーは高齢者の薬の飲み忘れを防げるか

クラリオン株式会社
経営戦略本部 経営戦略部 経営戦略グループ 担当部長
ヘルスケア事業推進PJサブリーダー
井上 明 氏

株式会社日立システムズ
産業・流通事業グループ 産業・流通営業統括本部
インフラサービス拡販推進本部 インフラサービス拡販推進部 部長代理
服部 隆 氏

クラリオンは、長年手掛けてきた製品のあるノウハウを有効活用しようと模索し、介護にたどり着いた。さまざまな薬を1日に何度も服用する高齢者に向けて、飲み忘れや過剰服用を防ぐ服薬支援装置を開発、介護の現場に向けて提供している。2016年からは、茨城県笠間市で市役所や医師、ケアマネージャー、薬剤師らが要介護者の服薬状況をリアルタイムで共有できるよう、服薬支援装置のクラウド連携が始まった。

講演者プロフィール

井上 明 氏

1966年 東京都生まれ。日本電子専門学校 音響工学科 卒業後、1986年(株)クラリオン入社 メカニズム回路設計Gr.配属。2000年 事業構造改革推進室にて担当事業計画提案に関わり、2002年 技術企画部(要素技術企画)に異動、技術戦略立案業務に従事。2010年より経営企画部門にて経営管理業務を進める中、2015年4月 経営戦略本部 経営戦略部へ異動、2016年 3月よりヘルスケア事業推進リーダを兼務、現在に至る。

服部 隆 氏

1993年日立情報システムズ(現日立システムズ)入社。仮想化ソリューションなどの新規事業立ち上げを行い、今回の服薬支援クラウドサービスの事業化についても中心的な役割を担っている。今回の事業化を元に、IoTサービスについて事業化推進を行っている。

この講演の見どころ

IoTはヘルスケアにどう活用できるか――。日立グループの取り組みの1つは、車載情報機器メーカーのクラリオンからスタートした。CDチェンジャーのノウハウが服薬支援に発展し、日立システムズのつなげる技術を融合することで、さまざまな種類の薬を服用しなければならない高齢者の助けとなっている。CDチェンジャーと介護とIoTの異色な組み合わせがスタートした背景を聞いた。

筋電センサーで進化する義手開発 〜生体信号処理技術とIoT〜

株式会社メルティンMMI
取締役執行役員 COO 博士(工学)
粕谷 昌宏 氏

2013年7月に設立された電気通信大学発のベンチャー企業、メルティン。今年10月にスイスで開催される“サイボーグオリンピック”とも言われる「Cybathlon」に日本から唯一の義手チームとして出場する。既存の筋電義手の機能を大きく上回る最大約10種類の生体信号を判別し、日常生活に十分な握力を持つ高機能な義手を開発している。また、その技術のベースとなっている「筋電識別アルゴリズム」を搭載した「筋電センサー」も今後販売する予定だ。本講演では、そのセンサー技術や、生体信号処理技術の可能性について伺った。

講演者プロフィール

粕谷 昌宏 氏

2012年早稲田大学大学院先進理工学研究科修士課程修了。同年電気通信大学大学院情報理工学研究科博士後期課程入学。2013年に日本学術振興会特別研究員を経て、2014年に株式会社メルティンMMI執行役員。2015年に同社取締役執行役員に就任、現在に至る。専門分野はロボット工学,生体医工学,生体信号処理。

この講演の見どころ

従来の筋電義手では操作のためのトレーニングや特殊な入力が必要だったが、メルティンの義手は、装着してわずか数分で直感的な操作が可能となっている。これを実現しているのが、生体信号処理技術と、それを搭載した筋電センサーだ。さらに、そこで取得された筋電データは、義手そのものだけではなく新たなサービスやアプリケーション開発にも広がる可能性を秘めている。

ドコモが描く5Gの世界

株式会社NTTドコモ
先進技術研究所 5G推進室 室長 主席研究員
中村 武宏 氏

次世代移動通信として研究開発が進む5G。日本では、2020年の東京五輪に合わせて一部商用化が開始されるとみられている。その5Gにおいて、世界最大規模の研究開発を誇っているのがNTTドコモだ。同社は現在、世界各国の主要な通信機器メーカー、半導体メーカー、計測器メーカーなど13社と提携し、精力的に開発を進めている。同社の先進技術研究所 5G推進室 室長を務める中村武宏氏に、5G開発の現在や今後の展開、そしてNTTドコモが考える5Gの世界について語ってもらう。

講演者プロフィール

中村 武宏 氏

1990年 横浜国立大学 修士卒。1990年にNTT入社。1992年より、NTT DOCOMOにてW-CDMA, HSPA, LTE/LTE-Advanced, 5GおよびConnected Carの研究開発および標準化に従事。現在、NTT DOCOMO 5G推進室にて室長を務める。1997年よりARIBでの移動通信システム標準化に参加。2006年〜2014年2月、高度無線通信研究委員会 モバイル・パートナーシップ部会 部会長。現在、高度無線通信研究委員会 2020 and Beyond AdHocリーダー、および5Gモバイル推進フォーラム企画委員会委員長代理。1999年より、3GPPでの標準化に参加。2005-2009年に3GPP TSG-RAN副議長、2009〜2013年3月まで3GPP TSG-RAN議長を歴任。

この講演の見どころ

5G研究開発において、NTTドコモは世界最大規模といっても過言ではない。その意気込みからは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで何としても一部商用化を実現させるという気迫が感じられる。講演では、5Gのアイデアを募るために同社が開催したハッカソンの他、キャリアとしての課題、さらに端末・部品ベンダーの課題にも触れている。5G研究の最前線に常に立ってきただけに、中村氏が語る次世代通信には説得力がある。

出展企業

ゴールドスポンサー

日本ナショナルインスツルメンツ株式会社

IoT時代における新しいテストアプローチの提案に加え、ワイヤレス技術に関する最新資料やワイヤレス規格・無線通信を学べる資料、さらにQualcomm Atheros社やNokia Networks社の事例などを紹介します。

このブースの見どころ

IoT時代に挑む!”常識”を変える戦略的なテストシステムとは

今、スマートデバイスに欠かせないワイヤレス通信技術も大きな変革期を迎えている。それぞれの要件を満たすテストシステムを構築する鍵は?迫りくるテクノロジーのパラダイムシフトに対応するヒントを解説する。

オン・セミコンダクター

このブースの見どころ

CCD/CMOSイメージ・センサ - シャッター動作の「基礎」

本書では、グローバルシャッターとローリングシャッターの違いなど、CCD、CMOSイメージ・センサの3種類のシャッタ機能メカニズムについてポイントを押さえながら簡略に説明します。

わずか直径65ミリの基板サイズで、車載用HVACファン制御が可能!

パワーモジュールとBLDCモータコントローラを使ったデモをご紹介します。車載用HVACファンの制御に必要な基板はわずか直径65ミリの大きさで、メカニカル設計が容易、また軽量化に貢献します。

シルバースポンサー

日本アルテラ株式会社

「機械学習」「マイコンからFPGAへの置き換え」「はじめてのFPGA入門」をテーマに、FPGAをわかりやすく解説しています。

このブースの見どころ

FPGA vs GPGPU、アクセラレーターとしての比較

FPGAと汎用GPU(GPGPU)を、アクセラレータとして使用する場合の違いについてわかりやすく解説します。今なぜアクセラレータが必要とされるのか、アクセラレータにはどのような選択肢があるのか。

機械学習の概要: FPGA におけるニューラル・ネットワーク

本ビデオでは、ディープ・ラーニング・システムで最も広く使用されているアルゴリズム「畳み込みニューラル・ネットワーク(CNN)」の実装にFPGAが最適である理由とその開発手法を解説。

ザイリンクス株式会社

組込み分野でのビジョンシステム市場は急成長が見込まれ、今もっとも注目されている市場です。この市場動向、課題、解決策について、ザイリンクスのブースでご紹介します。

このブースの見どころ

ウェブセミナー:マシンビジョン向けソリューション

大きなビジネスチャンスが見込まれる組込ビジョン市場の動向、課題を説明。いかに迅速かつ容易にマシンビジョン市場へ参入できるかを紹介します。

動画:産業用ピック アンド プレイス ロボットをワンチップで

アプリケーション処理の実行から、リアルタイム タスクの取り扱い、機能安全基準への適合をワンチップで実現します。

菱洋エレクトロ株式会社

菱洋エレクトロは、IoT/M2M構築にエッジデバイスのスマート化やネットワーク、クラウドなどご提案いたいます。『現場』のワークスタイル革新をもたらすフィールド&モバイルワーク・イノベーションをご紹介します。

このブースの見どころ

リリースから1年でパワーアップ ◆Windows 10 IoT Enterprise

昨年夏のリリースから1年、Windows 10 IoT Enterpriseは、さらにパワーアップ!今回のAnniversary Updateの情報と従来からある組み込みにおすすめの特徴をご紹介!

NVIDIA GPU活用◆AIや自動運転もまずここから始めましょう!

NVIDIAのGPUは、設計当初の画像表示のためのパーツから、多くの演算コアを活用した超高速画像処理ソリューションに進化しており、高画質な医療画像処理やマシンビジョンなど幅広い分野で採用されています。

The MathWorks, Inc.

IoTの膨大なデータを効果的に活用する技術、大量なセンサデータから新たな知見を得る最新解析手法、FPGA/ASIC設計でMBDの結果を出すため重要な3要素、制御・メカ設計のコツや、コード静的解析など

このブースの見どころ

FPGA/ASIC設計でMBDの結果を出すため重要な3要素

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