アナタの心に“ストライク”?――東芝「RD-H1」を試す:速攻レビュー(5/5 ページ)
東芝が変り種のデジタルビデオレコーダーを発売する。主要な機能は継承しつつ、DVDドライブを省略するなどして低価格を実現した「RD-H1」だ。DVDがないことに抵抗を感じる人も多いだろうが、「どう使えるか」を理解すると、極めて魅力的な製品となる。
DVDドライブが省略された点を「ネット de ダビング」で補った「RD-H1」だが、唯一カバーできないのが、コピーワンス番組の取り扱い。内蔵HDDに録画して、再生するという選択肢しかない。
とくに、パソコンに対して民生機が持つ大きなメリットとして「コピーワンス放送を録画してDVDへ保存可能」という点があるため、ここに関する限り、DVDドライブを装備した製品と比べて魅力に欠けるのは事実だ。
そうした事情を考えると、「RD-H1」は確かにマスマーケット向けの製品ではない。店頭では「DVDドライブ付いてないんだ」の一言でそっぽを向かれる可能性も十分あるだろう。
「RD-H1」の最大の武器は価格だ。販売は自社の直販サイトからのみとし、無理に小型化せず(やろうと思えば縦型にだってできただろう)、既存のRDシリーズのコンポーネントを流用して低価格に仕上げた。直販価格は“3万円台前半”であり、さすがに250GバイトのHDDを内蔵したハイブリッドレコーダーでこの価格で販売されている製品は見当たらないし、HDDの容量を無視しても、EPG対応のHDD+DVDレコーダーをこの価格で購入することはできない。
結局のところ、この価格と250GバイトHDDの採用が「RD-H1」の大きなポイントだ。スタンドアロンで使っても、早々とHDDの容量が足りなくなることはないだろうし、「ネット de ナビ」を活用できる人なら、2台目、3台目のビデオレコーダーとして手軽に“買い増し”できる。また家族がそれぞれの部屋において、簡易なホームネットワークを構築することもできる。何より価格が現実的だ。
また、RDシリーズのハイエンドモデルを利用しているような、画質に拘るユーザーなら、録画はハイエンドモデル中心で、本製品をバックアップストレージ兼予備の録画機として使う手もある。使い方はさまざまだ。
“PC録画派”にとっても無視できない存在だろう。パソコンは既に持っているとしても、テレビチューナーユニットと250GバイトのHDDを購入する価格+αで「RD-H1」は買えてしまう。さらに「ネット de ナビ」を使って録画予約はパソコンからすいすいっと行えるし、録画した番組はパソコンにダビングして煮るなり焼くなり好きにできる。さらにリビングルームの大画面テレビで再生できることを考えれば、「RD-H1」の方が安上がりになる可能性すらある。
「RD-H1」は、デジタルビデオレコーダー市場全体から見ると、おそらくニッチな製品だ。しかし、「どう使えるか」をきちんと理解すれば、極めて魅力的で「安い!」と思える製品でもある。とくに「ネット de ダビング」対応RDシリーズのユーザーには魅力的で、「RD-H1」が、ほかのRDシリーズの買い増し/買い換え需要を“食ってしまう”可能性すらある。それでもあえて、この製品の販売に踏み切った東芝の英断に拍手を贈りたい。
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