日立が考える“未来の街角”:uVALUEコンベンション2005(2/2 ページ)
日立グループのプライベートショウ「uVALUEコンベンション2005」が東京・有楽町の国際フォーラムで開幕した。ユビキタス”がテーマだけに、車や駅、商店街など、身近な場所のIT化を進める技術が目立つ。気になるものをピックアップしてみた。
こちらのプラズマディスプレイは、ミューチップやFelicaを読み取り、その利用者に合った情報を提供する「どこでもディスプレイ」だ。たとえば携帯電話に電車や航空機のチケット情報が入っているとき、カードリーダーに携帯電話をかざすと「発車まであと50分」「8番線へお進みください」などとパーソナライズされた情報を表示してくれる。
さらに携帯電話をかざすと、今度は停車駅で販売している駅弁を予約できる画面に変化する。利用者は名物弁当を食べて幸せ。販売店側も商売のチャンスが広がって嬉しいというデモだ。
要はディスプレイ(に接続したアダプタ)をネットワークに繋いでインタラクティブな情報配信を行っているわけだが、Felicaやミューチップが普及すれば、アイデア次第で用途は格段に広がりそうだ。日立の担当者は、「まだ研究段階だが、駅や街角など人の通る場所に“どこでもディスプレイ”を置き、旅客案内や物販予約、情報提供の手段にしたい。Felicaをミューチップに変え、ミューチップ入りのパンフレットなどを用いた商品情報の提供も考えられる」と話していた。
バスの運行状況は電子ペーパーでチェック
富士通が曲がる電子ペーパーを発表した際、参考展示したのがバス停表示器。バスが遅れると自動的に時刻表を修正したり、時間によって広告を変えたりといったことを可能にするものだった。
日立が展示したバス停も、やはり方向性は同じ。13.1型の大型電子ペーパーを搭載し、モノクロの見やすい画面で時刻表を表示していた。「電子ペーパーの良いところは、まず省電力。一度通電して表示したものを保持できるため、薄型のバッテリーでも長期間(長時間ではない)の駆動が可能になるでしょう。難点は表示が遅いことくらいでしょうか」(日立)。
クレジットカードのポイントをICカードにチャージ
クレジットカードのポイントやマイレージを使い損ね、損をした気分になるというのはよくあることだ。しかし数年後には、駅で気軽にポイントを使えるようになる。
「ポイント還元機」は、クレジットカードのポイントやマイレージなどをICカードにチャージ(移動)させるもの。外観は銀行ATMに似たもので、タッチパネル式の接客画面や暗証番号を打ち込むパッドなどを備える。また、携帯電話対応のICリーダー/ライターや紙幣ユニットもオプション設定しているため、お財布ケータイにポイントを移したり、現金からICカードに“チャージ”するといったことも可能だ。
現在、東京都内ではJR東日本のICカード「Suica」と、地下鉄/私鉄各社の共通カード「パスネット」が混在している状況だが、2007年には共通のICカード1枚で乗車できるようにする計画だ。日立では、そのタイミングを狙ってポイント還元機の導入を進めるという。もちろん、実際にサービスを提供するにはクレジットカード側の対応も必要になるが、私鉄を母体とする百貨店(が発行するクレジットカード)などは前向きに検討しているようだ。
「ポイント還元が駅で気軽にできるようになれば、顧客の囲い込みという点で百貨店側にもメリットが大きい。地元の私鉄と百貨店でポイントを相互に活用できることになる」(日立)。
「uVALUEコンベンション2005」の会期は7月20日、21日の2日間。入場は無料だ。
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