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「音楽とIT」で2005年を振り返る(後編)今年もいろいろありました(2/3 ページ)

下半期の一番の話題はなんといっても、“黒船”iTunes Music Storeの開始だろう。iPodの新機種も矢継ぎ早にリリースされ、市場全体がアップルのリードで推移した感すらある。しかし、国内メーカーも独自色を打ち出して存在感をアピールした。

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 ウォークマンスティック(NW-E4xx/5xx)というヒットを飛ばしたソニーが、「ウォークマン復活」を掲げた新製品「Aシリーズ」を9月8日に発表した。HDD搭載の2タイプとフラッシュメモリ搭載の1タイプを用意したほか、「インテリジェントシャッフル」や「アーティストリンク」など、“ユーザーとともに進化する”という意欲的な機能を搭載し、iPod追撃の姿勢を示した。

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新ウォークマン「Aシリーズ」。左から「NW-A3000」「NW-A1000」「NW-A60x」

 奇しくもウォークマンと同日に発表されたのが、ジョブズ氏が「かなり大胆なiPodだ」と紹介したiPod nano。ウォークマンAシリーズのような先進的な機能は搭載しないものの、カラー液晶とクリックホイールを備えたフル機能のiPodで、「鉛筆よりも薄い」という超スリムサイズを実現した。発表同日より販売も開始され、瞬く間に人気商品となった。

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iPod nanoを紹介するジョブズ氏。「こんなところに入っていたよ(笑)」というプレゼンも超スリムなnanoだからこそ

 音楽配信サービスの盛り上がりやレーベルゲートCD2の廃止など、音楽流通のスタイルについて考えさせられる出来事が多い夏だったが、9月1日には東芝EMIが新たなコピーコントロール技術を導入した「セキュアCD」を市場へ投入している。現時点でも採用数は少ないようだが、興味深い動きであることに違いはない。

10月――映像の世界に足を踏み入れたiPod

 アップルコンピュータの新製品ラッシュが続く。フラッシュメモリタイプのiPod nanoに続き、10月にはビデオ再生機能を備えたHDDタイプの新iPodが発表された。

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動画再生機能を搭載した新iPod

 同時にiTunes Music StoreからiPodで再生可能なミュージックビデオの販売が開始されたが、同社幹部からは「iPodはあくまでもミュージックプレーヤーであり、それはこれからも変わらない」というコメントも。

 競合他社もアップルの新製品ラッシュを黙ってみているわけではなかった。クリエイティブメディアは大容量HDDとカラー液晶を備えた「Zen MicroPhoto」を、日本ビクターは18bit Σ D/Aコンバーターを搭載したフラッシュメモリタイプの“alneo”「XA-MP100」「XA-MP50」「XA-MP20」を、東芝はコンパクト化を進めたHDDタイプの「gigabeat X30」をそれぞれ発表した。

 iPodはiTunesというPCソフトを必要とするが、それとは真逆ともいえるベクトル“PCレス”の方向性を押し進めた新製品・新サービスも見られた。以前からSDカードを中心とすることでPCレスを推進する松下電器産業からは、「D-Snap Audio」シリーズのポータブルプレーヤーとHDD内蔵ミニコンポの新製品が発表されたほか、ニフディは「ポストMDを狙う」という音楽配信サービス「MOOCS」が開始された。

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松下電器産業のポータブルプレーヤー「SV-SD750V」

 9月に新製品「ウォークマンAシリーズ」を発表したものの、発売を11月と設定したためにアップルや松下電器産業に新製品の市場投入時期で後れを取ってしまったソニーは「コネクト」という世界観を提案することで巻き返しを図る考えを示した。

11月――新ウォークマン、スタートダッシュに失敗?

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