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魚の視覚で世界を切り取る――デジタル対応魚眼レンズ5本撮りくらべレビュー:デジ一眼「2本目のレンズ」(3/5 ページ)

昨年末から今年にかけ、シグマ、ペンタックス、オリンパスの各社からデジタル対応の魚眼レンズが相次いで登場した。このジャンルの先駆けであるニコン製の魚眼レンズとあわせ、計5本の魚眼レンズを試してみよう。

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ペンタックス「smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED (IF)」

 ペンタックス「smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED (IF)」は、APS-Cフィルムサイズの撮像素子を持つペンタックス製デジタル一眼レフ専用の魚眼ズームレンズだ。光学系の開発・設計は、レンズメーカーのトキナーと共同で行ったという。

 同社は35ミリフィルム用の魚眼ズームとして「smc Fフィッシュアイズーム 17-28mm F3.5-4.5」を発売しているが、そのデジタル版ともいえる製品だ。価格はオープンで、実売は5万円台前後になっている。

 なんといっても、魚眼なのにズームができることがユニークだ。焦点距離10ミリ側では180度の画角を持つ対角線魚眼となり、ズーミングを行うと、歪みのある広角レンズとして利用できる。イメージとしては、ズームアップした状態は魚眼画像の一部分をトリミングしたような画像だと考えていい。もちろん光学ズームなので、トリミングとは違って画質劣化はない。

 最短撮影距離はズーム全域で14センチ。レンズの先端からだと、2.5センチ先の被写体にまで近づける。

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ペンタックス「smc PENTAX-DA FISH-EYE 10-17mm F3.5-4.5 ED (IF)」。最大径は68ミリで、全長は71.5ミリ。重量は320グラム。以下の作例では「*ist DS2」を使用した
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10ミリ側で撮影。この状態では、ほかの魚眼レンズと同じように180度の画角を得られる
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17ミリ側で撮影。焦点距離の数値の変化はわずかだが、実際の画面は大きく変化する

シグマ「15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE」

 シグマ「15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE」は、35ミリフルサイズに対応した対角線魚眼レンズ。同社が1999年に発売した「15mm F2.8 EX DIAGONAL FISHEYE」は、光学性能のよさや最短撮影距離の短さで人気を集めたが、そのレンズコーティングなどをデジタル用に再設計したのが、この製品である。

 価格は6万5000円で、実売は5万円台前後。シグマ用とキヤノン用がすでに発売され、コニカミノルタ用、ペンタックス用、ニコン用は発売日未定だ。ここでは、キヤノン用を「EOS 5D」で使用した。

 キヤノンのフルサイズ機ユーザーの場合、このレンズ以外にキヤノン純正の「EF15mm F2.8フィッシュアイ」を使う手もある。だが、純正品は最短撮影距離が20センチ(最大倍率0.14倍)なのに対し、このシグマレンズの最短撮影距離は15センチ(最大倍率約0.26倍)と、より短い。魚眼レンズではわずか5センチの差が、表現の自由度で大きな違いになる。加えて、価格面での魅力もある。

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シグマ「15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE」。最大径は73.5ミリで、全長は65ミリ。重量は370グラムだ
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旅先で壮大な建築物などに出会うと、「ここで魚眼レンズがあれば…」と感じることがある。これは東京駅の構内
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こちらは浅草寺。魚眼レンズは焦点距離が短く、低速のシャッターでもブレは目立ちにくい
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画面の周辺部になるほど、直線的な被写体が丸く歪むのは魚眼レンズの特徴だ。これを補正する方法は最後のページで紹介する

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