魚の視覚で世界を切り取る――デジタル対応魚眼レンズ5本撮りくらべ:レビュー:デジ一眼「2本目のレンズ」(4/5 ページ)
昨年末から今年にかけ、シグマ、ペンタックス、オリンパスの各社からデジタル対応の魚眼レンズが相次いで登場した。このジャンルの先駆けであるニコン製の魚眼レンズとあわせ、計5本の魚眼レンズを試してみよう。
シグマ「8mm F4 EX DG CIRCULAR FISHEYE」
シグマ「8mm F4 EX DG CIRCULAR FISHEYE」は、従来の「8mm F4 EX CIRCULAR FISHEYE」をデジタル用にリファインした製品だ。ここまでで取り上げた4本のレンズは、画面の対角線方向に約180度の画角を持つ「対角線魚眼レンズ」だが、このレンズは全方向に約180度の画角を実現し、画面を円形に写し込む「円周魚眼レンズ」である。
非常に個性が強く、天体観察などの記録用にはいいが、作品用に使いこなすのはちょっと難しいかもしれない。面白いことは確かだが、被写体や構図に工夫しなければワンパターンの写真になりやすい。
また不用意に構えると画面に指が入ったり、自分の足元や影が写り込んでしまうことがある。撮影にはそれなりの配慮が必要だ。もっとも、あえて自分を入れて一風変わった記念写真を撮るのも楽しい。
価格は8万円で、実売は6万円台から7万円台前後。シグマ用、キヤノン用、ニコン用が発売中で、コニカミノルタ用とペンタックス用の発売日は未定だ。以下の作例では、キヤノン用を「EOS 5D」で使用した。
魚眼の歪みを補正し、超広角に変換する
魚眼レンズはそれほど売れないと書いたが、フィルムの時代に比べると、デジタル時代の今は活用範囲がさらに広がったといえる。レタッチソフトで歪みを補正すれば、超広角レンズとしても利用できるからだ。
魚眼の歪みを補正するには、ニコンの画像ソフト「Nikon Capture」のフィッシュアイ変換機能を使うのが最も手軽だろう。画像を開き、「フィッシュアイレンズ」のボタンをワンクリックするだけで、超広角レンズで撮ったように補正できる。
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