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中国で作る日本のデジカメ――オリンパス中国工場リポート・後編(2/3 ページ)

デジカメ市場を勝ち抜くには、高品質を維持しつつ、いかに生産の効率やスピードを高めるかがカギ。オリンパスの中国工場では様々な工夫を凝らし、品質とコスト、スピードの両立を図っている。前編に続きデジカメ工場をリポートしよう。

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高品質の製品を短期間で仕上げる工夫

 製造工場といえば、ベルトコンベアを利用したライン式の流れ作業を連想しがちだが、オリンパスの中国工場ではベルトコンベアはほとんど使われていない。10〜20人程度のワーカーが1つのグループになり、それぞれが肩と肩をくっつけて立ったまま作業を行うセル生産方式を採用している。

 また作業スペースのレイアウトには独自の工夫がある。1つのグループの作業台を直線的に並べるのではなく、上から見ると風車の羽のように放射状に配置されている。これによって、隣接した作業員同士でひとつの流れを作りながら、複数の作業を同時進行でき、必要に応じてパーツの供給ができる。

 しかも製品ごとに作業スペースの配置や工程はまったく異なり、新しい製品を作るたびにレイアウトを一新している。製品に新しい機能や装備を盛り込むほど、製造や検査の工程はいっそう複雑になり、より高い精度とスピードが求められる。

 「製品サイクルの短いデジカメでは、スピーディに効率よく製品を仕上げなければなりません。しかも、年々進む小型化や高画質化に合わせて、製造技術や検査の精度を高める必要もあります。それに柔軟に対応するには、製品の開発だけでなく、製造や検査のための機器の開発が重要です」(オリンパス番禺工場 総経理 飯田勝氏)

 デジカメの生産をオート化するのは難しいが、オリンパスではワーカーたちのスキルを高めることでオート化する以上のスピードと効率を実現している。ただし、画質チェックなど厳密さが要求される工程では、独自に開発した測定機器を積極的に導入しているという。

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右は、深セン工場の総経理 小松亨氏
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流暢な日本語を話す深セン工場の中国人スタッフの曹亦為氏
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番禺工場の総経理 飯田勝氏
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作業台を放射状に配置したクリーンルーム内
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デジタル一眼レフ機は、コンパクトデジカメに比べて約2倍の工程と約5倍の設備が必要になるという
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デジタル一眼レフ機「E-500」の生産工程
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後ろの黒いボックス内では、画質に関する検査や測定が行われているが、そこは企業秘密
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素早い手作業で、小さな部品が組み込まれていく
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常にダストを吸い取りながら作業が進められる
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E-500のモードダイヤル
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E-500のCCDユニット
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CCDまわりの組み立ては最も高い精度が必要
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クリーンルームと外をつなぐ窓
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組み上げた製品を検査する工程
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慣れた手つきで次々とチェックする
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ここでの重点検査項目は、毛や汚れ、グリップラバーの浮きや隙間など
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1台1台ファインダーを覗いてチェックする
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μ720SWの箱にケーブルなどを入れている
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最終的にダンボールにまとめられる
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出荷に向けての梱包作業

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