ニュース
中国で作る日本のデジカメ――オリンパス中国工場リポート・後編(3/3 ページ)
デジカメ市場を勝ち抜くには、高品質を維持しつつ、いかに生産の効率やスピードを高めるかがカギ。オリンパスの中国工場では様々な工夫を凝らし、品質とコスト、スピードの両立を図っている。前編に続きデジカメ工場をリポートしよう。
徹底した品質管理と現地スタッフの育成
深センと番禺にあるオリンパスの2つの工場では1万1000人以上の従業員が働いている。そのほとんどが中国各地から集まった若い女性たちだ。1カ月の最低雇用賃金は深センで690元、番禺では574元に定められているが、残業代なども含めると平均して1000元前後になる。1元15円で計算すれば、1万5000円程度だ。
比較的給料の高い日系企業は人気が高いが、それでも最近は少しでも条件のいい企業を求めて転職する人は少なくない。オリンパスでは離職率を抑え、優秀な人材を確保するために、賃金だけでなく寮の完備など福利厚生面の充実を図っているという。
実際に彼女たちの仕事ぶりを見ていると、その真剣さには感心させられる。製品の厳重な品質管理はもちろんだが、ワーカーたちの指導や教育、管理も徹底している。またワーカーだけでなく、現地採用した技術スタッフの育成にも力を入れている。新製品の立ち上げや試作の際には、日本の開発スタッフが数カ月間滞在するが、ふだんから開発と生産現場の密接な連携は欠かせない。
中には、中国製は粗悪というイメージをいまだ持っている人がいるかもしれないが、この現場を見てみればそんな旧態依然とした考えは吹き飛ぶだろう。私自身は、徹底した品質管理のもとで、女性ワーカーたちの手作業で丁寧に作られる工程を見ていると、自分が使っている「E-500」にますます愛着が沸いてきた。
関連記事
- メイド・イン・チャイナの秘密――オリンパス中国工場リポート・前編
中国広東省の深センと番禺にあるオリンパスの工場を訪れた。これらの工場では「E-500」や「E-330」などのデジタル一眼レフ機、「μ」シリーズなどのコンパクトデジカメを製造し、全世界に向けて出荷している。 - ライブビューって画期的なの?――「E-330」の商品企画担当者に聞く
オリンパス「E-330」は、世界で初めてライブビューを実現したデジタル一眼レフ機。その商品企画を担当したプロダクトマネージャー堀田康夫氏に、ライブビュー開発の経緯と狙いを話してもらった。 - 冒険心をくすぐるデジ一眼ライブビュー撮影――オリンパス「E-330」
液晶モニターで構図を確認しながらシャッターを切る、すわなちライブビュー撮影を実現したデジタル一眼レフ機「E-330」を使ってみた。これまでのデジタル一眼レフ機とは、ひと味もふた味も違った撮影の楽しみを満喫できる。 - オリンパス、背面液晶でフレーミングできる新世代デジ一眼「E-330」
オリンパスが、デジタル一眼レフカメラの新製品「E-330」を発表。最大の特徴は、コンパクトデジカメのように常時背面液晶画面を見ながらフレーミングができる「フルタイムライブビュー」機能だ。 - 誰にでもお勧めできるフォーサーズの決定版――オリンパス「E-500」
オリンパスのデジタル一眼レフカメラ「E-500」は、カメラらしいデザインで見た目は“普通”。だがレンズセットで実売10万円を実現しつつ、使い勝手と機能のバランスがとれた仕上がりは、手堅いが使っていて安心感がある。 - “普及版E-1”――オリンパス、世界最軽量のデジ一眼「E-500」
オリンパスイメージングは、世界最軽量というデジタル一眼レフカメラ「E-500」を11月11日より販売する。E-1の普及モデルという位置づけで、実売想定価格はボディのみが9万円前後、レンズキットが10万円前後の見込み。 - オリンパス、撮影後の手ブレ補正も可能な「μ810」
- オリンパス、防水機能を備えた世界最小最軽量の7メガ機「μ710」
- 防水&タフネスのコンパクトデジカメ――オリンパス「μ720SW」
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.