薄型テレビと相性がいい平面スピーカー?――TDK「Xa-Master」(2/2 ページ)
TDKマーケティングの「Xa-Master」は、同社製フラットスピーカーのハイエンドに位置付けられる製品だ。透明なアクリルパネルを振動板にした斬新なデザインは、AVラックやPCデスクの上で独特の存在感を示すだろう。詳しい話を聞いてきた。
同社では、硬質アクリルパネル振動板をGMMエキサイタで駆動する方式を「AAPS」(Advanced Acoustic Panel System)と名付けている。その名の通り、反応応答性が高いフラットパネルスピーカーは、アコースティックサウンドの表現が得意だ。パネル全体を振動させて各周波数の音を出す“分布振動モード”ではバイオリンやアコースティックギターの発音動作に近く、高域のハーモニクス成分を自然に再現できるという。
チューニングでもこの部分に注力し、アコースティックギターの表現をテーマに調整を進めた。それもスムーズに進んだわけではない。「フラットパネルスピーカーの調整は、分割振動歪みとの戦い。防ぐにはポイントを押さえる必要があるが、マスターチューニングには4年かかった」。
Xa-Masterでは、フラットパネルは、1.5K〜20KHzという中高域の周波数をカバーする。200Hzまでの中域は下のミッドレンジスピーカーが担当。さらにウーファーを組み合わせて2.1chシステムとした。実際に聴いてみると、確かにアコースティックギターの音は秀逸だ。少し硬質な印象も受けるが、弦が弾かれた後の響き方は、近くでギターを弾いているかのようなリアリティがあった。
入力はコンポジットステレオ×2とステレオミニジャック×1。ミニジャックはPCやiPodなどのポータブルプレーヤーを想定したものだ。デジタル入力がないのは残念だが、そのぶん「Xa-Master」の実売想定価格は3万円前後と、比較的、手が出しやすい価格帯に設定されている。これは「薄型テレビを購入したポイントで買える値段」だという。
「サテライトスピーカーは、37インチテレビに丁度いいサイズ。オプションのスタンドを利用するとトールボーイタイプにもなる。オーディオ用はもちろん、テレビの音を手軽にアップグレードする手段としても活用してほしい」(同氏)。
関連記事
- TDK、フラットパネル2.1chシステムの最上位「Xa-Master」
TDKマーケティングは2.1chシステム「Xa-Master」(SP-XA160)を発売する。フラットパネルスピーカーの最上位モデルで、「部屋のどこでもナチュラルサウンド」を実現する。 - 活用したい“360度ステレオ”――TDK「SP-XA80」
机上の音楽ライフをより豊かにする+1アイテムを紹介する小特集、初回の“サイコロスピーカー”に続く第2弾はTDKの2.1chシステム「SP-XA80」だ。迫力ある低音とともに、独自方式の“360度ステレオサウンド”も有効に活用したい。 - TDK、フラットパネルスピーカー搭載のキューブ型2.1chスピーカー
TDKは、フラットパネルスピーカー搭載のキューブ型2.1chアコースティックサウンドシステム「Xa-40」を8月21日に発売する。店頭予想価格は6000円前後。 - TDK、新デザインの2.1chフラットパネルスピーカーシステム
TDKマーケティングは、フラットパネルスピーカーを備えた2.1chサウンドシステム「SP-XA80」を2月10日より販売開始する。英NXTとの共同開発で、約360度という指向特性を実現する - TDK、フラットパネル式2.1chサウンドシステムを発売
TDKは5月23日、フラットパネル2.1chアコースティックサウンドシステム「SP-XA60」を発表した。英New Transducers Limited(NXT)との共同開発によるマルチメディアスピーカーシステム「NXシリーズ」のバリエーションモデル。 - アクリル板スピーカーは“癒し系”
TDKブースでは、透明なアクリル製の板を振動板にしたスタイリッシュなスピーカーを参考出展している。外観や音質もさることながら、スピーカーのすぐ近くにいるのに“音の出所がよくわからない”という面白い体験ができる。 - 音のするものなら、なんでもスピーカーになる?
小型アクチュエータで平板を分割共振させ、音を出すという平面スピーカーの技術開発を行っている英NXT社に話を聞いた。同社の技術はNECや富士通製のパソコンで採用されているほか、携帯電話などへの応用も期待されている
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.