第3世代iPod nano、使ってみてわかったこと(前編):レビュー(2/2 ページ)
その軽快さが広く受け入れられたヒットモデル「iPod nano」がこの度第3世代へと進化した。iPhoneまでさまざまなiPodを手にしてきた筆者がこの新モデルをチェックする。まずは外観と新UIから。
取り出した状態では音楽の再生ができないのは従来のiPodと変わらず。できるのは内蔵のゲームくらいだが、その前にいくつかの設定もできる。まずは言語設定をして、時間帯と時間の設定。電車の中で操作するつもりなら、クリック音をオフにしていたほうがいいかもしれない。時間帯の設定は、細かいホイールの動きを要求され、かなり手間取った。最初から東京に設定、というのはやってくれないのだろうか?
初期メニューでは、「ミュージック」「ビデオ」「写真」「Podcast」「エクストラ」「設定」「曲をシャッフル」が表示されている。
これまでのメニュー表示と違うのは、右半分のスペース。ミュージックやビデオ、写真、Podcastを選択すると、そのジャケット写真が「Ken Burns Effect」のように流れて表示される。「エクストラ」では現在時刻が、「設定」ではiPodに付けられた名称と空き容量が、それぞれ表示される。
「ミュージック」をクリックすると、「Cover Flow」「プレイリスト」「アーティスト」「アルバム」「曲」「ジャンル」「作曲者」「オーディオブック」「検索」がスクロールなしで表示される。
では、今回の目玉の1つである「Cover Flow」から見ていこう。
Cover Flowとユーザーインタフェース
ジャケットを横並びに表示させ、立体的にめくっていくようなインタフェースがCover Flowだ。もともとサードパーティのアプリケーションだった(当時はCoverとFlowの間にスペースのない、CoverFlowだった)ものをAppleが買い取ってiTunesに組み込んだのが最初だが、iPhoneに搭載されたときには指でフリップする動作がiPhoneを見せびらかすときの定番的操作となった。そのCover Flowが1万円台のiPod nanoでも使えるようになったのだ。
ただし、nanoはタッチスクリーンではないので、クリックホイールを動かすことで、表示させるジャケットを左右に移動させることになる。希望するところでセンターボタンを押すと、目的の楽曲が再生される。
再生時には、ジャケット写真が左側に表示されるが、そのジャケットは少しパースがかかっており、透明のテーブルに映り込んでいるような、Appleのサイトではおなじみの画像だ。画面解像度が204dpiと緻密になったため、フォントはきれいに表示されている。
再生時にはセンタークリックによるトグルで表示内容が変わる。標準ではホイールが音量調整になるが、1回クリックすると再生位置の移動、2回クリックでレートをつけるモードに、3回クリックでシャッフルモードの切り替え、歌詞がタグに書き込まれている場合には、4回目のクリックで歌詞とアルバムカバーが表示される。タグがブランクの場合には音量調整に戻る。
第2世代nanoでは、音量調整→再生位置移動→歌詞表示(ジャケットは表示されない)→レートとトグルされる。シャッフルモードの切り替えが新設されたわけだ。たとえば、この曲から先はシャッフルしたいと思ったとき、旧モデルではメニューの頭に戻ってシャッフルモードにする必要があったが、第3世代では「曲」「アルバム」のいずれかのモードでシャッフルをかけることができる。
そのほかにマイナーチェンジしたのは「検索」だ。第2世代には「A-Z」だけでなく「1-0」も選択できたのだが、第3世代ではなぜかアルファベットだけになっている。どうせ日本語の検索はできないし、ということだろうか。
ちなみにこのCover Flow、Appleが最初に製品に組み込んだのがiTunes 7.0で、2006年の9月に登場した。そこからわずか1年で、「一番売れるiPod」、すなわち最も売れる音楽製品に組み込まれたわけだ。
後編では注目の動画再生について確認する。
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