プロも認める“こだわり”のコンパクト――「GR DIGITAL II」発表会
リコーがコンパクトデジタルカメラ「GR DIGITAL II」の発表会を行なった。内なる進化をとげたという新モデルに写真家・望月宏信氏の反応は?
リコーは10月30日、コンパクトデジタルカメラ「GR DIGITAL II」の製品発表会を行なった。
こだわりの“正統進化”
2005年の発売以来、約2年にわたり販売が続けられた前モデル「GR DIGITAL」。プロのサブ機としても活用できる高画質と、気軽に撮影が楽しめる携帯性の両立を目指したカメラだったが、今回の新モデルについて同社パーソナルマルチメディアカンパニー プレジデントの湯沢一弘氏は「あくまでも“正統進化”。コンセプトは変えていない」と説明する。
進化ポイントとしては、まずCCDの画素数を1001万画素にアップし、解像度を高めている。さらに、新エンジン「GR ENGINE II」の採用によって大幅なノイズ低減を実現。ISO400で撮影した際のノイズ感は、従来モデルのISO100なみに向上しているという。レンズは従来と同じものだが、「自信を持ってお届けできるものだと思っている。そのレンズの特性を最大限いかせるセンサー類の開発を行なった」と、ICS事業部 設計室の北郷隆室長は語る。絵作りの面では従来と同じく自然な仕上がりを目指しており、「エンジンは違うがアウトプットは同じ」と同氏は説明する。
操作系に若干の違いはあるが、デザインそのものはほぼ変わっていない。「変えるという議論もあったが、何が“正統進化”なのかを考え、同じものを継承している」(北郷氏)。
発表会では、光学系やボディといった基本的な設計が新旧で共通点している“GR DIGITAL”に対し、前モデルのCCDや基板の交換によるアップグレードの可能性について質問が及んだ。湯沢氏によれば、技術的に不可能ではないものの実施は難しいという。「CCDや基板はコスト比率でかなりのウェイトを占める部位でもあり、市場で交換サービスを行なうとなるとコスト的にユーザーに迷惑をかけることになりかねない」(湯沢氏)。
同社はこれまで、前モデルのファームウェアによる機能拡張を4回実施してきたが、新モデル発売にあわせ、第5弾のファームウェアを11月22日から提供する。前モデルに対するアップデートは、今回が最後となる。モノクロのトーン調整機能、外部ファインダーでの撮影に便利な液晶の情報表示モード、フラッシュの調光補正機能、テレコンバージョンレンズの認識/設定機能などを新たに加えることができる。
「コンパクトでGRほどよく撮れるカメラはないと思う」
カタログで撮影を担当した写真家の望月宏信氏は、新モデルを「驚くほどよくなっている。特に高感度撮影時のノイズは“コンパクトにしてはずいぶんと頑張っているな”という感じ。ポケットに入るブローニー(中判)カメラだと思っている」と評価した。カタログ撮影では「ちょっと露出やホワイトバランスをいじっただけで、基本的に“とりっぱ”」だという。
写真展も開催
また今回、GR DIGITAL発売2周年を記念したイベント「photoGRaph100」の発表も同時に行なわれた。横浜美術館で11月3日から4日まで開催する。各界の著名人100人が「GR DIGITAL」「Caplio GX100」で撮影した作品を展示するほか、写真のワークショップも行なう予定だ。さらに展示作品の写真集を制作し、11月22日から販売する。
発表会には同イベントに参加したアーティストの奈良美智氏も登場。銀塩カメラ時代の「GR-1」ユーザーだったという奈良氏はGR DIGITAL IIについて、「GR-1と同じ感じで撮ることができる。デジタルっぽくないかなと思う」とコメントした。
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