次世代DVDレコーダーは8万円台へ、薄型テレビは停滞感――07年末商戦
各社から次世代機が登場した影響でレコーダー市場は活気づき始めているが、薄型テレビはひと息ついた状態――BCN調べ。
BCNは12月5日、同社の集計する店頭実売データ「BCNランキング」による次世代DVDレコーダーと薄型テレビの市場動向について説明会を行った。レコーダーについては今秋より各社から新製品が投入された結果、これまでの買い控え傾向から一転、消費者が“買い”の姿勢を見せ始めていることが明らかになった。
ひところほどの伸びが見られなくなって久しかったレコーダー市場だが、同社の金額ベース集計では11月は対前月比で112.2%と今年初めて二けたの伸びを示しており、その牽引役はやはり次世代機。10月まではレコーダー全体に対して次世代機の占める割合は10%を下回っていたが(台数ペース)、11月に入るとその状況は一変し、11月3週目以降は20%以上を保っている。
次世代DVDレコーダーは現在、ソニー/パナソニック/シャープがBlu-ray Disc、東芝がHD DVDの規格に沿った製品を展開しているが、同社調べではソニーとパナソニックが2強状態を築き上げている。なかでもソニーは台数・金額別シェアともに50%を越えており(10〜11月の調査)、同業他社に比べても早い時期に新製品を発表した効果が表れているといえる。
各社が次世代DVDレコーダーを豊富に用意する初めての商戦期であることからか、シンプルな低価格モデルだけではなく、高機能ながら比較的高価なモデルの売れ行きも良好だ。平均販売価格帯別の構成比では10〜13万円の製品が46.2%と最大のボリュームゾーンを構成しているが、16〜20万円の製品も26.7%と高い割合を占めている。
11月の台数シェアでトップとなった機種はソニーの「BDZ-T70」(同社調べによる平均販売価格は11万9791円)。以下に同じくソニーのBDZ-T50、BDZ-X90が続き、HDD非搭載という割り切りを見せているシャープの「BD-AV10」「BD-AV1」もそれぞれ7位、9位と健闘している。ただ、東芝は冬モデル機「RD-A301」の発売が12月中旬となっているため、市場へインパクトを与えるまでに至っていない。
「低価格モデルだけではなく高価な高機能型も順調に売れており、機種別人気という観点では分散傾向にある。東芝のRD-A301が10万円を切る価格で店頭に並ぶことが確実視されていることもあり、店頭における低価格化は加速しそうな雰囲気となっている。程なくして“8万円台の次世代DVDレコーダー”も登場しそうだ」(同社取締役 田中繁廣氏)
一方、薄型テレビはここに来て停滞ムード。液晶とプラズマ、いずれもさしたる伸びを示せなくなっており、11月の薄型テレビ全体の金額ベース集計では対前月比105.4%とほぼ横ばい。昨年の盛り上がりには遠い状況だ。
画面サイズ別に11月の販売台数と金額を前年比で比較してみると、最も大きな伸びを示したのは50インチ以上の液晶で、伸び幅は台数ベースが175.6%・金額ベースが156.6%となっている。次が40〜50インチクラスの液晶テレビで、伸び幅は台数ベースが166.8%・金額ベースが137%。ただ、昨年の同調査では50インチ以上が台数ベースで2146%・金額ベースで788.2%という驚異的な伸びだったことを考えるとひところの勢いにかげりが出てきたと言わざるを得ない。
一方でプラズマの40〜50インチクラスは台数ベースで148.6%の伸びを見せているが、50インチ以上と30〜40インチクラスでは台数・金額ベースのいずれでも前年同月を下回ってしまっている。ただ、プラズマは販売単価の下落が液晶を上回るペースで進行しており、単価の低下がどれほど消費者心理へ影響を与えるかが注目される。
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