薄いだけじゃない――ビクターの液晶テレビ新製品:2008 International CES
薄いだけではモノ足りない人に朗報だ。ビクターは昨年の「CEATEC JAPAN」で披露した超薄型&狭額ベゼルの次世代液晶テレビを、“ほぼそのまま”の形で製品化することを発表した。夏頃には日本でも発売される見込みだ。
JVC Company of America(ビクター)は「2008 International CES」開催に合わせ、ラスベガス市内にあるホテルで新製品内覧会を催した。会場では昨年の「CEATEC JAPAN 2007」で披露した“次世代液晶テレビ”の製品に近い姿を見ることができるほか、“iPod対応テレビ”こと「P-Series」なども展示されていた。
テレビの新製品は4シリーズあり、トップエンドの“Procision”「X899シリーズ」は、倍速駆動や“次世代Genessa”(→関連記事)を搭載した画質追求型の製品だ。42インチから52インチまでの3モデルを揃え、春から順次発売する。
注目の超薄型液晶テレビ「SL89シリーズ」は、42インチの「LT-42SL89」および46インチの「LT-46SL89」の2モデル。デザインはCEATECで展示したプロトタイプを“ほぼそのまま”製品化したイメージで、パネル部の厚さは39ミリ(最も厚い部分は74ミリ)。薄さでは日立「UTシリーズ」に及ばないが、ベゼル幅が19ミリという狭額のスタイルと前面のタッチセンサーなどで高級感を演出している。現在のところ、超薄型と狭額を両立した液晶テレビは存在しないため、貴重な存在になりそうだ。
SL89シリーズは、いずれもフルハイビジョン解像度のパネルを搭載。入力端子はHDMI端子3系統のほか、コンポーネント2系統、PC入力、USB端子などを備えている。音質面では、新たにSTの「OmniSurround」技術を導入した。
気になるのは製品化の時期だが、同社によると「春から欧米やアジア地域で順次発売し、国内発売は夏頃になる見込み」という。国内販売が遅れるのは残念だが、製品サイクルのほかに「壁掛けの需要は欧米のほうが旺盛」という事情もあるようだ。
このほか、CEATECでも披露したLEDバックライト搭載の42インチ液晶テレビや180Hz駆動の32インチ液晶テレビ(いずれも試作機)も参考展示していた。LEDバックライトには1150個のLEDを使用し、128エリアの局所制御によってコントラスト比を10万:1に向上させている。また消費電力も一般的な使用なら約50%削減可能だという。
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