ビクターは一足先に「次世代液晶」:CEATEC JAPAN 2007
ビクターブースの注目は、42V型でパネル最薄部20ミリ、本体奥行き37ミリの「スリムLCDテレビ」。「薄型液晶」の開発をアピールする他社に先駆け、来年夏に発売される。
日本ビクターブースの注目は、なんといっても42V型で本体奥行き37ミリという薄さを実現した薄型液晶テレビ「スリムLCDテレビ」だ。「薄さ」という次世代の扉を開けようとする他社に先駆け、来年夏、北京オリンピック商戦に投入される。
同社はパネルの自社製造を行っておらず、本製品の薄型化も光源拡散に関する新技術の開発と部材レベルからの見直しによって実現されている。パネルモジュールの厚さは最薄部20ミリ、ベゼル幅は13ミリ。幅と高さ、奥行きすべての面で従来モデルよりも小型化が進められている(従来モデルの42V型はモジュール最薄部35.3ミリ、ベゼル22.4ミリ)。
薄さもさることながら注目すべきはその市販化時期。2008年3月にはヨーロッパ、8月には日本市場での販売が計画されており、同じく薄さをアピールするシャープや日立製作所に比べ、一足先の製品化が行われる(シャープは2010年、日立製作所は2009年に薄型液晶の市販化を計画している)。価格についても、同社では「従来モデルに比べて数万円のプラスに収まるよう検討している」としており、登場すれば市場へ大きなインパクトを与えることになりそうだ。
ブースには参考展示として180Hz駆動の「3倍速液晶」と液晶テレビ用のLEDバックライトも展示されている。3倍速液晶はその名の通り、標準では秒間60コマで描写するところに中間画像生成技術で2コマを挿入、動きのある映像をよりスムーズに見せるというもの。感覚的な向上感は標準→2倍速ほど望めないが、高速なテロップや動きの速い被写体を描写する際には効果が期待できる。対応パネルの量産が行われていないために製品化は未定だが、「アルゴリズムは完成」(同社)しているため、パネル製造ベンダーの動き次第となりそうだ。
LEDバックライトの参考展示では、40VフルHDのパネルへ1150個のLEDをバックライトとして搭載。R/G/Bの画素を1ブロックとし、ブロックごとに入力された映像の解析結果に基づいた輝度とガンマのコントロールを行う。特徴は高コントラスト比と低消費電力の両立で、デモ機では10万:1の高コントラスト比ながらも消費電力を既存同サイズモデルに比べ約半分に低減している。色再現性もNTSC比116%と高く、動画応答性能もMPRT 5ミリ秒以下と高速だ。
先日発表された大画面テレビ向けの「次世代高画質エンジン」“GENESSA”のデモも注目だ。新GENESSAはデジタル処理の前段で入力信号をY/Cb/Cr各色12bitに拡張する「Real Bit Driver」、動画に対しても3次元ノイズリダクションを行う「アイ・クリアモーション ノイズリダクション」、独自のx.v.Color対応信号処理といった機能を備えており、これらの効果を実際に確認できる。
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